TOS
□だいすき 4
4ページ/8ページ
*
隣の距離は遠いとも、離れているともどちらとも言えなかった
人1人分のその間、なぜか心の距離なような気がしてもどかしくて寂しかった
でも別に、心の距離を縮めたいだなんて思っちゃいない
思っちゃいないんだ
自己暗示をかけるかのように自分の心の中で幾度か呟いて、またため息
「な〜にため息ついちゃってんのよ」
「五月蝿いねえ、あんたに関係無いだろ」
「そ?本当は俺さまに構って欲しいんじゃなくて?」
「馬鹿な事を」
へ、と鼻で笑い飛ばして胸が痛む
どうして?
自分の心に嘘をついているって思った
でも、自分の心の本当の思いが何なのかはわからない
どうしてこんなにわからない事ばかりなのだろう
自分の感情一つ理解できない自分に、苛立ちが募る
隣で飄々とへらへらしているあいつはどうなんだろうか
そう思ってはみたものの、それを素直に伝える事はできなくて
ふい、と顔を背けたままいじけたように剥れている事しかできなかった