TOS
□だいすき 4
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あのパーティーの一夜から、音を立てて何かが変わっていった
目の端にしか移らなかったあの顔が、頭を支配して頭を悩ませて
心を締め付けてどうしようもなく不安にさせた
その気持ちと上手に向き合えなくて
不器用に戸惑ってばかりで
しいなは小さくため息を吐く
「お前な」
「え?ああ、何サ」
「こんな夜中に外ふらふらすんなよ」
ぼんやりと考え事をしていたしいなが、俯いていた顔を気がついたように上げる
ぱち、と目が合って 口元がゆるゆると緩む
隠すようにそっぽを向いた
「何でだい?あたしがいつどこを出歩こうと関係無いだろ?」
「しいなも俺さまの大切なハニーの1人だから、関係バッチリあるのよ」
「意味が理解できないよ」
ぐさ、胸に突き刺さる
やっぱり自分は数多の女性の中の1人
どうでもいい存在なのか、と ぎゅっと胸が苦しい
「だ〜か〜ら〜、夜は酔っ払いとか怪しい奴とかいるから危ないの」
「アンタに心配されるような覚えはないよ」
「馬鹿しいな」
「何だと、アホ神子!」
心配、の言葉にじわりと熱くなったのに
つい可愛げの無い言葉が口から出て、いがみ合い
こんな風になりたいわけじゃ、ないのに