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だいすき 2
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ジーニアスに適当に何か相槌をうって部屋を出た。

やきもち、嫉妬、ジェラシー

あたしが?あのアホ神子に?









嫉妬?











どす、と何かにぶつかった











「ああ、すまない……大丈夫か?」

「あ、ああ 悪かったね、あたしこそ不注意で」








青い髪が揺れる







リーガル









「あんた、何処に行ってたんだい?」

「ああ、プレセアと ちょっとな……」









プレセア












リーガル









これを知ったらジーニアスはきっと顔を真っ赤にさせて不貞腐れるんだろうな












「ねえ」

「何だ?」

「あの……気に障る事だったら悪いんだけどサ」

「構わぬが」







いやたぶん、この人怒るかも







「あんた、その アリシアが他の男といたりしたら 嫉妬したり したかい?」







いつも以上に顔をしかめた

やばい、やっぱ失言だったのか







「なぜ、そのような事を?」

「え?いや、ただ 何となく……」

「お前自身が嫉妬に苛まれているのではないのか?」







こいつ






アリシアの事を口にしたのに、眉一つ動かさずにさらりと返した

動揺を押し隠したのか、本当に平然としていたのかはわからないけれど








うろたえたのは自分の方だった

さっきのジーニアスと会話していた時の風景が、フラッシュバック甦る







「ち、違うよ!べ 別にあたしは……」

「神子、か」

「違うって言ってるだろ!全く……」







さっきみたいに死んじゃいそうになるくらい恥ずかしくなるまでかわかわれるのはごめんだ

あたしはさっさとリーガルの横を通り抜ける







「少しは素直になってみたらどうだ」






背中にリーガルの声がぶつかった






「………あいつがあんなに飄々とした態度取ってるのに、

自分だけ素直になるってのはなんか癪に障るんだよ」







いつだって自分ばっかり

照れたり泣いたり怒ったり







だけどあいつはいつだって






へらへら馬鹿みたいに笑ってるから、むかつく






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