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だいすき 1
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「つまんねーか?」

「……楽しくはないね」

「俺さまも」

「は?」







ようやくそこであたしはゼロスの顔を見た

ふ、と夜空に目を向けていたゼロスは、その目をそっと伏せた







現実に、目を背けるかのように








「何言ってるんだい、女の子達に囲まれてデレデレしてたくせに」

「あのなあ、俺さまは女の子は大好きだけどな」

「あーあーあー、いいよいいよ」

「聞けよ」







ぐ、と手首を掴まれた




何のつもりだ アホ神子







「俺さま女の子は好きだけど」

「そこはもう聞いたって」

「好きだけど」

「何だい、さっきから さっさとはっきり言っとくれよ」






そして手首を離してくれよ
>



心臓がおかしくなるから










静かなバルコニーで二人だけ

心臓の音だって聞こえてしまいそうなほどだ?(いや、聞こえてる?)








「お前が楽しくねーと、俺さまも楽しくねーのよ」






何それ、自分勝手な奴







「どういう意味だい?」

「俺さまがしいなのこと、だーいすきだってこと」

「じょ、冗談はやめとくれよ!」






開いてる手で、べちりと頬を叩いてしまった

嗚呼、まだパーティーの途中なのに申し訳ない事をしてしまったのかも





別に、こいつを叩いた事にじゃなくて

赤い頬をしたこいつが陰口叩かれて評判落とされたら後味悪いからって事での罪悪感を感じた








いつもだったら軽々とよけたり受け止めたりするはずなのに

されるがまま叩かれたゼロスは、しばらくはたかれた状態のままじっとしていたが

しばらくしてゆっくりと顔を上げた








「冗談じゃねえよ」







やけに低い声



おちゃらけてない



本気の



男みたいな















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