TOS
□だいすき １
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「お前、何やってんの？」
バルコニーには誰もいなかった
そうだろう、あの広い室内で行われているパーティーで
皆がワイングラス片手に自分の自慢話だとかお世辞の言い合いを繰り広げているんだから
他人に媚を売って、自分の株をあげる
麗しいパーティーの裏に潜む人間の本性に嫌気がさしたあたしは、
一人ひっそりと隠れるかのようにバルコニーに座っていた
なのに、どうしてこいつが現れるんだい？
あたしのいちばん会いたくない、あんたに
「あーあーあー、せっかくのドレスが皺になっちまうぜ？」
「五月蝿いね、あんたはあの煌びやかなパーティーに戻ればいいだろ？」
なんか今自分がすごく子供に感じる
「なになに、どうしちゃったのよ？すねちゃって」
「すねてなんかないよ、アホ神子 どっかいきな」
ドアに背を向けて座っているあたしには、あのアホ神子の表情はわかんない
かといって声であいつの感情を見分ける事なんて到底できない
ポーカーフェイスとかなんでもないふりとか、
そういうのをこいつは何食わぬ顔でやってみせるから
「ま〜ま〜そう言うなって」
「隣に座らないどくれよ」
勝手にずかずかと進入しないでくれよ
あたしの心の中にまでも