TOD2
□ナミダのRaindrops
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「ねえ、ハロルド遅くない?」
窓に打ち付けられる雨粒を見ながらリアラが不安そうに呟いた
「そういえば……まだ帰ってきてなかったっけ」
カイルも窓の外に視線を向けるが、その視線をジューダスに向けた
「そういえば、さっきジューダス ハロルドの事さがしに行ってないっけ」
「ああ、すぐに帰ると言っていた」
「でもジューダスが帰ってきてからもうだいぶ時間もたってるし……さがしにいった方がいいんじゃないかい?」
「俺はハロルドがいない方が身の危険にさらされることがなくて安全なんだけどな……」
ふざけた事言ってるんじゃないよ、とナナリーが大声を荒げながらロニに得意の関節技攻撃をくらわせていた
「私、見に行ってみるわ」
「雨が降ってるし、風邪ひいちゃうだろ 俺が行くよ」
「カイルったら……」
入り口付近でほわほわとピンクのオーラを飛ばしながらイチャイチャとしている二人の傍を、黒が通り抜けた
「ジューダス?」
「僕が行こう」
「え、でも……」
カイルの返答を待たず、ジューダスは大雨が叩きつける外に飛び出していった
*
先程と同じ場所に、同じ体勢でハロルドはいた
「おいハロルド、いつまでそうしているつもりだ」
聞き分けの無い子供を叱っているような気分でジューダスが叱咤した
先程かけてやったマントも、雨で濡れて用を為していない様子だ
仕方なく、強引に彼女の肩に手を置いて自分の方に向けようとすると、いやいやとまるで子供のように首を横にふる
「あっち行きなさいってば」
「お前がやっていることはあいつらに迷惑をかけている、ぐずるなら宿屋の部屋でやれ」
「アンタってホントデリカシーないわね……」
ため息をはくジューダスの手を払ってハロルドが立ち上がる
「解剖させてくれないし、帰るわ」
どこまで自我を貫くというのか
彼女の言動にいい加減欝陶しさを感じていたジューダスの胸に、桃色の頭がこつんとぶつかった
ざあざあざあ
雨音がさらに激しさを増した、ような
「解剖させてくれないって言うなら、この事黙ってなさいよ」
「…………………」