TOD2
□ラブアフェア
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「ほらほら早くぅ、息あがってるわよ?」
「五月蝿い、文句があるのなら降りろ」
他の仲間から数メートルほど距離があき、ハロルドはばたばたと足を動かした
体力派では無い自分が、どうして女1人おぶって先を進まなければならないのだろうか
不安定にぐらぐらと揺れる度に思い切り抱きついてくるので
彼女のファーが首元を刺激して気持ち悪いというかくすぐったいというか
「変わろうかい?ジューダス」
「いや、いい。お前達に迷惑をかけるわけにもいかない」
「ならいいけどさ、疲れたらいつでも言いなよ」
面倒見のいいナナリーが、手のかかる子供を見るような目つきでハロルドを見やった。
ジューダスは淡々とした表情で返しつつ、ため息を吐いて眉を顰めた
やけに静かになった後ろは、何と呑気に寝息を立てていた
しょうがない奴だ、と思いつつ涎をたらされない事を願いながら歩く
『坊ちゃん、大丈夫ですか?』
「全く………手のかかる奴だな」
『そう言いながらも、嫌じゃなさそうですよ』
「まさか、肩は凝るし疲れる一方だ」
『またまた』
おちゃらけているシャルティエに、ぎろりと睨みつけると
コアクリスタルをぴかぴかと光らせて黙り込んだ