Main Dream
□ただいま。
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趣味は何かと聞かれたら神田は「読書」と答えることにしている。実際、本はかなり読むのだ。任務が忙しいだけで。
よって必然的に、本が読みたくなると神田は図書室に行くのだった。
図書室に入ってまず目にはいるのは本に埋もれたカウンター。これは職員がサボっているのではなく、全面的にコムリン及びコムイのせいである。そこら辺の事情は面倒なので割愛する。
さて。
本に埋もれたカウンター、その向こうをのぞき込んで神田は図書室の主に声を掛けた。
「よう。」
顔を上げた、まだ少女と呼んでも問題ない女性は明るく笑って答える。
「いらっしゃい、神田君。」
「相変わらずだな。」
何が、と言わなかったのは図書室全てに変化がなかったからだ。
ここは変わらない。変わらず静かで、優しい。
知らず目元を和ませて、神田は問いかける。
「新しい本、入ったか。」
「入ってます。奥に積んであるから好きなのを持って行って。」
「分かった。」
静かで好ましい、そして何よりも。
目の前で微笑む彼女の存在が、何よりも愛おしいのだ。
<FIN>
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