Main Poem


□愛おしい人へ、叶わぬ愛を
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その手に

その目に

その心に




花のような笑顔で

絹のような柔らかさで

鋼の頑なさで

君は彼の人の傍らにいた




その全ては彼の人の為に

その全ては彼の人の為に

僕は君の全てを見ていた

僕は君の全てを知っていた

当たり前だ

今までそこには僕がいたのだから




今はもはや届かぬ場所に

今は彼の人が鎮座する

今は彼の人が笑っている




僕が君に与えたのは孤独

彼の人が与えたのは慈しみ

愛したのは僕だけど

守ったのは彼の人だった




届かぬ願いと叶わぬ愛と

全てを隔てる石の壁




二度と戻らぬことを知っている

だからどうか遠くまで

だからどうか彼方まで

僕が決して届かぬように

僕の声が届かぬように

僕は変われずここにいるから

僕を忘れてくれなくては




そうでなければ僕は君を壊してしまう






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