Main Poem


□さやぐ木の葉
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唄が聞こえる




風の中に

雲の中に

海の中に

土の中に

人の中に

儚く切ない声がする

未来を願う時の唄

それでも叶わぬ嘆きの唄

僕は道路で立ち止まり

君に唄をすくい上げる




緑の葉には心を乗せた

僕はどこまで行くのだろう

黄色の葉には心を乗せた

僕はどこで止まるのだろう

赤の葉には心を乗せた

僕はいつ終わるのだろう

裸の枝には答えを乗せた

それは誰も知りはしないよ




すくい上げた唄を聴く

僕等の願いは叶わないのか

ならば何故願うのか

何も叶わぬとするならば

僕等はどうして生きている

僕等はどうしてここにいる

僕等は僕等は僕等は僕等は

どこで僕になれるだろう




潰された唄は葉になって

砕けた唄は枝になって

消された唄は幹になって

届かぬ願いは実になった




唄が聞こえる

どこでもないどこかから

この世界の狭間から

決して終わらぬ唄が聞こえる






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