Main Poem


□閉ざされた扉
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赤く赤く色づいた左手をノブにかけ

白く白く凍り付いた右手で鍵をかける




足下には黒くて長いモノ

頭上には赤くて冷たいモノ

手前には鉄の扉

奥には外への飛び降り口




高く高くひび割れた声があふれ出て

低く低く静まっていく鼓動を聞いた




目から流れた赤い水

胸から流れた赤い水

へそから流れた赤い水

爪から流れた赤い水

赤い雨が降り注ぐ




くつくつくつくつ

くつくつくつくつ

はずれた笑いが部屋に満ちる




永久にここはここのまま

永遠に人は人のまま

灰色の扉は永久に

灰色の扉は永遠に

灰色の扉は変わらない




鉄の扉は冷たくて

氷の扉は開かなくて

開かない扉は閉じたまま

ただひたすらに灰色に

閉じた扉は開かない




それは決して変わらない






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