Main Poem
□闇の回廊が攫った。
1ページ/1ページ
巡る時の中で
小さく炎が揺れる
巡る闇の中で
小さく炎が揺れる
巡る時の中で
小さく花は枯れ果てる
巡る闇の中で
小さく花は枯れ果てる
闇と希望を両手に抱え 欠けた月は夢を見る
人が人でなくなる夢
手はもげ
足は崩れ
耳はちぎれ
目はえぐれて
それは確かに人の未来
闇と希望を取り落として 欠けた月は夜空に吠える
あの哀しい生き物は何だ
知らない あんなものは知らない
知らない あんなものは知らない
あれは人ではない
あれは生きてはいない
あれは何だ
答えたのは月の闇
あれは人だ
あれは生きている
あれは全ての者のたどるべき末路
あれは咎を負った者の末路
あれは 人だ
闇が嗤い
月は吠える
闇が嘲り
月は泣く
闇が蔑み
月は猛る
人の世の暗黒は深まり
人の世の終演は近い
人は己で己を滅ぼす
人は己で闇へと踏み出す
果てのなき暗黒へと
戻る際はこちらから。下は使用しないでください。