Main Poem


□闇の回廊が攫った。
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巡る時の中で

小さく炎が揺れる

巡る闇の中で

小さく炎が揺れる

巡る時の中で

小さく花は枯れ果てる

巡る闇の中で

小さく花は枯れ果てる




闇と希望を両手に抱え 欠けた月は夢を見る

人が人でなくなる夢

手はもげ

足は崩れ

耳はちぎれ

目はえぐれて

それは確かに人の未来

闇と希望を取り落として 欠けた月は夜空に吠える

あの哀しい生き物は何だ

知らない あんなものは知らない

知らない あんなものは知らない

あれは人ではない

あれは生きてはいない

あれは何だ




答えたのは月の闇

あれは人だ

あれは生きている

あれは全ての者のたどるべき末路

あれは咎を負った者の末路

あれは 人だ




闇が嗤い

月は吠える

闇が嘲り

月は泣く

闇が蔑み

月は猛る




人の世の暗黒は深まり

人の世の終演は近い

人は己で己を滅ぼす

人は己で闇へと踏み出す

果てのなき暗黒へと






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