Main Poem
□蝶々が蜜を求めて。
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馨しい花に誘われて
舞うは蝶
唄うは蝶
泣くは蝶
笑うは蝶
極彩色の羽で空を揺らす
セピアの幸せを見るために
遠く見えるは蜃気楼
幼い子供
駆ける童子
風の調べ
鳥の紡ぎ唄
命の営み
人の世の輪廻
儚い羽を持つ種は笑った
私もあそこへ行けたなら
艶やかな君は地に落ちた
私はあそこへ行かれない
優しい君は地に落ちた
私はあそこへ行かれない
幽玄の君は地に落ちた
私はあそこへ行かれない
私にあそこは遠すぎる
私にあそこは眩しすぎる
私はあそこへ行かれない
絶望が包み込む
行けたなら
悲哀が包み込む
行けたなら
暗い深淵が誘う
なら行こう
共に行こう
私なら行ける
共に行こう
馨しい蜜が絡め取った
人の世にその羽は脆すぎる
人の世にその心は脆すぎる
人の世にその躰は脆すぎる
人の世には、それは脆すぎる
極彩色の羽を透明の液にまみれさせ
少しずつ 少しずつ
儚い羽を持つ種は壊れている
少しずつ 少しずつ
儚い羽を持つ種は呑まれている
少しずつ 少しずつ
少しずつ 少しずつ
馨しい蜜蝋の奥底へと
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