Main Poem


□自己を蝕むのは荊。
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鋼鉄の砂漠に一滴の水を垂らす

閉ざされた城は遠い日の思い出を紡ぐ

柔らかな体には鮮やかな茨がまとわりつく




何故言葉は迷うのだろうか

何故人は争いを笑うのだろうか

何故鳥は飛ぶことが出来るのだろうか

何故雲はどこまでも青いのだろうか




迷うのは儚いからだ

笑うのは滑稽だからだ

飛ぶのは逃げるためだ

青いのは血の色を忘れるためだ




手から頭から肩から腰から足から心から

冷たい檻に閉ざされて静かに眠る

鍵は真鍮

床は毒蛇

絡むは茨括るは茨

氷点下の絹布団で永久の夢を見る




柔らかな体には茨がまとわりつく

壊れた心には溶岩が流れ込む

理性は小さな檻の中に溶けて消え失せた

柔らかな体には茨がまとわりつく

風の止まった闇の中で

いつ終わるとも知れぬ絶望を感じ

五感を血で染め上げながら

人は己の中に闇を飼うのだ






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