幸せだとフッと感じる時
それは午後のティータイムだったりお気に入りのカフェを見つけた時だったり家族団欒の時だったり、彼の無防備な寝顔を見れた時だったり
出逢った頃はとてもクールで人を惹きつけ皆の中心人物の様でだけどけして本心を見せるコトなどないそんな人だったのに、そんな彼がどちらかと言えば苦手で遠巻きに見ていたのだけれど、月日を重ねていつの間にか友達に友達から親友、親友から恋人に変わる頃には当初の印象なんて欠片も残っていない、甘えたで表情豊かで拗ねてしまうとなかなかご機嫌をとるのが大変な、そんな子供の様な素直な彼になっていた(他人にはまだ当初の様な態度をとっている様なのだけれど)
『柳生に逢ってから仁王のヤツ変わったよな、良い感じになった、昔は取っ付き難くて危なげな感じだったけどな、柳生のおかげだよな』
なんて、友人の言葉を聞いた時はとても驚いたのだけどそれと同じ位に嬉しかった、自惚れかもしれないけれど自分の影響で彼の世界が変わったコトが彼の世界に自分が入り込めている事がとても嬉しかったのだ
隣で無防備に眠る彼の姿に頬が緩む、指先で頬を突っつけば少し身じろいだ彼が数回瞬きをして
「やっぎゅ?…おはようさん」
と、起き抜けの笑顔で挨拶が返ってきたそれに笑顔で挨拶を返してまだ眠そうに欠伸をしている彼へとギュッと抱き付いた
「お早うございます。仁王大好きです」
「おん」
幸せとフッと感じる瞬間、今後のティータイムだったりお気に入りのカフェを見つけた時だったり、だけどそんなコトより何よりも彼の側で彼の笑顔の隣で笑っていられるその時が一番の幸せな時間だと思う
End
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