MAIN―短編物

□クリスマスの忘れ物
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アノマラド国南部に、初雪が降った12月22日の正午30分頃、港町ナルビクに在する傭兵ギルド『シャドウ&アッシュ』にある貴族の一件の依頼が舞い降りた。

その依頼の内容とは、簡単な話が

『消えた私兵を捜してくれ』

というものだった。

なんでも、依頼主が探していた物を見つけるべく、私兵達を『ある国』へ送り出した。
依頼主は、早くて4日、長くても一週間程で私兵達が帰ってくるだろうと見積もっていた。
だが、一週間が過ぎ、二週間たったが、連絡の一つも来ず、さらに一ヶ月が過ぎたが私兵達は帰ってこなかった・・・
さすがに不審に思った依頼主は、残っていた私兵も送り出した。
そして・・・皆様も察しているかもいれないが、その私兵達も帰ってこなかった。


依頼主が貴族ということもあってか、報酬の額がシャドウ&アッシュにおいて前例を見ない程高額なのである。

だが、一人、いや一ペアとして依頼を受ける者はいなかった。
理由は明確だった。
一つ目の理由、それはほとんど私兵達の足取りが掴めていないからである。

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