たんぺん

□歪んだ解釈自重
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奴との出会いは最悪でありました



「あ、ピンク」



奴は何を見て、ピンクと言ったと思います?絶対に誰も当てることは出来ないでしょうね。だってそれは私のパンツの色を見て発した言葉ですから。

その日は確か春一番が吹くとか何とか、朝のテレビでお天気お姉さんが伝えていた。女子高生なら誰しもが、いつも以上に短いスカートを気にしながら生活するであろう。無論私にも言えることで、学校での移動教室の時でさえそのことを気にかけていた、のに。こともあろうか突然の強い風に対応しきれず、無惨にもスカートはめくれてしまったのだ



「ピンクねえ。俺はもう少し大人っぽくて色気のある黒とか紫なんかが好みなんだけど。でもここは定番の白でも良しとしよう」



減るものでもないし、見られたくらいなら問題ない。その時ちょっとだけ羞恥心を感じるだけだし。だがしかし今回は見た方に問題があった。折原臨也。学園内では名の知れた奴で、関わらない方がいい人間として有名。その悪行は数知れず、泣かした女は山のよう、だそうだ(ただの噂だけど)。そんな男にパンツを見られ、加えて文句を付けられた私はどうしたら良いのだろう



「つまり俺が言いたいのは、その色のチョイスは無しってコト」



初対面のこんな奴に散々文句を言われ、腹が立たないほうがおかしい。地球は自分の為に回ってるって言ってるのとかわらない発言。私の手元から落ちてしまったペンケースを拾い上げ、口元を上げてそういった折原。その顔があまりにも腹立たしくて、ペンケースを奪い取り思い切り奴の足をわざと踏んで、その場を後にした





「あー、白」



次の日、学校の階段を登っていたところ、後ろから声がした。嫌な予感ほどよく当たるものはない。嫌々振り返ってみると案の定、折原であった



「君って意外に物分かりのいい子なんだね。律義にリクエストなんかに応えてくれちゃって」

『違いますたまたまです』

「じゃあ明日は黒で」

『訴えますよ?』

「そっちこそ。君が俺の足をおもいっきり踏んだこと、忘れたわけじゃないからね」



普通女子が階段で目の前歩いてたら覗くのか?これが当たり前だというのなら私に男心を理解するのは困難だな。まあこの男の場合、単にオブラートに包まないタイプの変態というだけだろうけど



「きっと今君は俺のことを、とんだ変態だって思ったみたいだけどそれは違う。第一俺は健全であって、昨日は偶然にも君のスカートがめくれ上がる現場に遭遇してしまったまでのこと。今日は俺が行く先の階段で偶然にも目の前の子の白いパンツが見えてまた偶然にもそれは君だった。君は今、たまたま白だったと言ってたけどはたしてそれは本当にそうなのか?偶然と偶然が重なればそれは時として、必然になる」



長々と勝手に話始めたが、結局何が言いたいのかはわからない。知らない振りをしてこの場を立ち去ろうと前を向き直る。すると視界から外したはずの折原が目の前に居て、私に立ち塞がった



『どいてください』

「君はどうやら俺のことが嫌いみたいだね」

『はい』

「はは、即答。素直な子は大好きだよ。それから俺に対して抱いてる嫌いという感情は、俺のことをちょっとでも理解して考えないと得られない」



歪んだ解釈自重



「恋のはじまりは、プラスの感情とは限らないんだよ」



ひらひらと手を振って私に背中を向けて去っていく折原。何ですと、恋の始まりですと?まったく、パンツがきっかけの恋だなんて、笑い話にしかならないじゃんか。





@補足
あからさまにへんたいぽい臨也さんを書きたかっただけですごめんなさい(^q^)



20110317


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