たんぺん
□眠れない夜は君と羊を
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『あの京平さん?』
「なんだ」
『眠れない、です』
いやいや、たしかにこのシチュエーション(腕枕というもの)を頼んだのは私だってことも、無理を言ってやってもらってるのもわかってはいるんです。でもまさかこんな至近距離に京平の顔がくるなんて思ってなかったというか。息遣いなんかが耳をくすぐるし、もしかしたら高鳴る心臓の音なんかも聞こえちゃうんじゃないかってくらい近い。だからといって嫌とかそういうんじゃなくて、寧ろウェルカム状態なんですけど、ね
「大丈夫だ、頑張れ」
『…そういわれても』
薄暗い証明の中、京平の視線とぶつかり、慌てて逸らしてしまった。のにも関わらず、直ぐにまた視線を合わせるように私を覗き込んでくる。何なんだよもう私顔から火が出そう。というか既に出てますって位あついあつい
『どきどきしすぎて無理です!』
「お前のそういう素直なところ、好きだぜ」
『会話噛み合ってなくないですかそれ』
にいっ、と普段はあまり見せないような笑顔を向けられる。それだけで私までついつい頬が緩んでしまう。なんかごちそうさまです。こんなに近い距離でその笑顔が拝める私、幸せ者です
「気にすんなよ。ほんと、早く寝ろって」
『だから無理、』
「いいか、お前が寝なきゃ俺が寝れないんだからな!」
眠れない夜は君と羊を
『それってツンデレですか?』
「うるさい早く寝ろっ」
『はーい(いいもの拝めた)☆』
@補足
次の日腕をつる門田さんでした。
20110131