01/09の日記
07:01
で、何の用だったのか…
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朝起きると携帯に不在着信が残っていました。
それは高校時代の友人からでした。ここ4年くらい連絡を取っていない相手です。
電話があった時刻は2時50分。真夜中です。
上半身裸で黒いタイツを装着した芸人の芸名にも使われている時刻です。不吉です。
一体彼の身に何が起こったのでしょうか。深夜に連絡してくるなんて只事ではないような気がします。
何か重大な事件が起こったのでしょうか。暫く連絡を取っていない俺に頼らなければならないような重大な事件が。
例えば彼の彼女が悪の帝王の呪いによって蛤にされてしまったとか。
彼の彼女は2つ年下の新聞配達員。
端正な顔立ちではありませんが、愛嬌があり同僚からは『給料泥棒』という愛称で親しまれていました。
自分が付き合った始めての彼女という事もあって彼は彼女をとてもとても大事に取り扱っていました。
そうです。彼はもてないのです。
彼もまた残念なルックスをしており、魚の干物みたいな顔をしているのです。
25年の人生でフラれた数は3桁にもなります。ギネスに申請中です。
彼にとって彼女の存在は大きかったに違いありません。
そんな彼女が悪の帝王の怒りに触れてしまったのです。
笑点における三遊亭好楽を否定した為でした。悪の帝王は好楽さんの大ファンだったのです。
彼女は悪の帝王により、蛤に変えられてしまいました。
悲しみに打ちひしがれる日々を送る彼。
しかしある日、彼は彼女を元の人間の姿に戻そうと決意しました。
その為には悪の帝王を倒さなければなりません。
最低でも半殺しにしなければ彼女は元の姿には戻りません。近所の田村さん(48歳・主婦)が言ってました。
まず彼は仲間を集める事にしました。
彼一人では悪の帝王に敵うはずがありません。悪の帝王は左フックで栃木県を壊滅させる事ができる程の強さです。
その手下達も相当な強敵で、彼一人では悪の帝王の住むフレグランス阿佐ヶ谷の608号室に到達する事すら出来ないでしょう。
様々な友人に電話を掛ける彼。
求人誌にも頼りました。「悪の帝王討伐メンバー急募!日給6500円」。
しかしなかなか仲間集めはうまくいきません。
彼には友人が少ないですし、命を張って悪の帝王と戦うなんて無謀な真似をしようとする人などいる筈がありません。
仲間が見つからないまま深夜になってしまいました。
途方に暮れる彼。
そんな時ふとある男の顔が浮かびました。竜太郎です。
最近全く連絡を取っていない相手ですが、事情が事情です。頼りない事この上ないですが、ここは助けてもらおうと電話をする彼。
しかし竜太郎は電話に出ません。
何故なら寝てたから。
遂に彼は諦めてしまいました。
そして決意しました。蛤になった彼女を一生大事にしようと。二人でひっそりと暮らそうと。
そんな訳で彼は蛤を指差しながら「これがうちの彼女なんだ」と言う生活を送るのです。
そういう想像、というか妄想をするとこちらから電話を掛け直すなんて出来ません。
蛤が彼女なんて面白いじゃないですか。とても彼に相応しいじゃないですか。
P.S.今日は寝過ぎたせいか少し頭が痛いです。
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