04/13の日記

14:47
音楽と共にタイムスリップ
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音楽はそれを聞いている人間を聞いていた時代に連れ戻します。



俺が行っていた大学はおつむの構造がすこぶる良ろしくない方々がアホ面引っ提げて通う超5流大学でした。
IQが二桁の方々がぞくぞくと集っていました。

まぁ俺もそのうちの一人だった訳ですが。



別に謙遜でも何でも無く本当にアホ大学だったのです。
講義の内容も周りの人間もとてつもなく低レベルだったのです。

まさか大学3年生にもなって英語の講義でbe動詞を教えて頂けるとは思ってもみませんでした。
そしてそれを惜し気も無く続々と間違える学生達。

それは俺にとってカルチャーショックであり、ある種の地獄絵図でもありました。

今から考えると彼等は知能に障害を抱えた子供達だったのかもしれません。
そう考えると全てのつじつまが合うのです。

まぁ頭の悪さに関しては俺も他の追随を許しませんでしたがね。



そんな底辺の大学の分際で一丁前に校則のようなものがありました。

その中でも教授の方々が特にうるさく言っていたのが頭髪について。
茶髪にするな、清潔感のある髪型にしなさいというものでした。


しかしお洒落盛りの学生達がそんな校則を守る筈もありません。
しかも景気良くハゲ散らかしたおっさんに「清潔感のある髪型を」などと言われても説得力のかけらもありません。

入学して一ヶ月も経つと茶髪の人間が徐々に増えてきました。


俺もその頃茶髪でした。
俺の場合、入学前から茶髪でしたが。派手な茶髪ではありませんでしたけどね。



そんなある日、学部長がある講義の時にお怒りになられました。

うちの大学は茶髪は禁止だと。
明日頭髪検査をするから茶髪の者は黒く染め直して来いと。
じゃなきゃ停学、もしくは退学だと。


いやいや、そうは言われましてもあんたみたいなみすぼらしいおっさんに言われて黒くするくらいなら最初から染めてませんよ、と。
18、19の若者達が大人しく過齢臭漂うおっさんの言う事なんて聞く訳が無いでしょう。
体中にファブリーズ振り掛けて出直してこい、ジジイめ。


そう思っていました。
当時18歳だった俺は。

学部長に注意されたくらいで黒く染め直す奴なんていないと思っていたのです。
おっさんの小言に耳を傾ける奴なんていないと思っていたのです。

若かったなぁ、当時の俺。


しかし次の日、昨日と同じ髪色で大学に到着した俺の目に映ったのは鮮やかに真っ黒に染め上げた他の学生達の頭でした。

茶色い頭をしているのは見事に俺一人。


皆ったらIQも偏差値も低いくせに世渡りだけは上手だったのです。騙されました。
馬鹿学生らしく茶髪で来て怒られればいいのに。



そんな訳で俺一人が学部長様に呼び出され、有り難い説教を聞く羽目になりました。
テーマは「茶髪はダメだよ♪〜校則違反には停学を〜」。

永遠とも思える程に大量の時間を費やした学部長様の長編説教が終わる頃、俺はグッタリと疲れ果てて廃人のようになっていました。

9割方聞いてませんでしたけど。
殆ど上の空で、帰りのバスの時間と晩御飯の事ばかり考えてましたけど。


そして最後に明日までに髪を染め直してくる事を強引に約束させられました。

ところで学部長様の「染め直すと約束するまで帰らせない」という発言や俺を学部長の部屋に閉じ込めるといった行為は脅迫とか軟禁といった罪には問われないのでしょうか。



仕方無くその日に髪の毛を染め直す事にしました。


しかし当時の俺が大人しく黒くする筈がありません。


反抗心の塊と化した俺は髪を青く染め上げました。

茶髪がダメなら青髪でどうだ、と。
校則に茶髪がダメとはあるかもしれませんが、青髪に関しては何も書かれていないでしょう。
学部長さんよ、こんな俺をどう怒るつもりだい?


次の日、そんな気持ちを携え戦闘モードで大学に行った敵対心丸出しな俺。


そんな俺に学部長は衝撃的な方法で対抗してきました。


無視です。

真っ青に染め上げた俺の奇抜ヘアに対してまさかのノータッチ。


おいおい、そりゃないでしょう。
こっちはあんたと喧嘩する為にこんな有り得ない頭にしたというのに。
無視なんてあんまりです。
真っ当な人間のやる事じゃありません。陰険にも程がある。



それだけならまだ良かったのですが、周りの学生達までもが俺を敬遠し始めました。
友人だと思っていた人間からも妙な距離を置かれる始末。


髪の色が青いだけでこんないわれの無い差別を受けるなんて…。
髪の色が皆と違っても俺は皆と同じ人間なのに…。


青髪についてほぼ誰にも触れてもらえなかった俺は理不尽な失意を感じ、その日の内に元の茶髪に戻したのです。


その頃からじゃないですかね。
俺が誰も信用しなくなり、部屋に篭ってカレーパンと話すようになったのは。




今日、カラオケで懐かしい曲を歌ったり聞いたりしながらそんな昔の事を思い出していました。
音楽には不思議な力がありますね。



そんな事より今日自分のニット帽を嗅いだらとても臭かったです。

何故ですかね。
いつから俺の頭皮はこんな尋常ならざる香りを放つようになったのか…。
カマキリの脇の下みたいな臭いがするんですけど…。

これは一体何の病気なんでしょうね?
気になって夜しか眠れません。

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