11/12の日記

20:42
秋、紅葉、携帯電話
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妹と母は仕事の為、不在。
家には父と俺が残されました。

そんな二人の会話。


「竜太郎、暇だなぁ。」

「んー、そうだねー。」

「やる事無いな。」

「うん。」

「……。」

「……。」

「どっか行こうか。」

「行く?」

「行きたい所ある?」

「…別に無いね。」

「今紅葉が綺麗なんじゃない?」

「あー、そうかもね。」

「三段峡はどうかね?」

「綺麗なんじゃない?勘だけど。」

「行ってみようか?」

「んー…、行こうか。」



そんな訳で三段峡に紅葉を見に行ってきました。ダルダルな二人です。

車で行ったのですが、想像してたよりも早く着きました。
さすが車です。歩くより随分早い。文明の利器万歳!


到着したのが12時前だったので、まずは入り口付近にある食堂で昼食を食べる事にしました。

ここがなかなかパンチの効いた店でした。

狭い店なのですが、見た感じは殆ど民家。
店員の大部分は介護を必要としそうなお年寄り達で構成されており、その中でも比較的若い部類に属するであろうおばさんがのそのそと注文を取りに来ました。

俺は肉そば、父は田舎そばとビールを注文しました。


このそばがまた微妙な味わい。

これを650円で出しますか?と言いたくなるような出来栄え。
お世辞にも美味しいとは言えませんでした。たとえ200円積まれても美味しいとは言わないでしょう。

そもそもなんで肉そばに卵焼きが入っているのかな?
何のつもり?嫌がらせ?それとも悪ふざけ?


取り敢えず空腹感を満たす為だけにそれを胃の中に流し込み、早々にそこから立ち去りました。



その頃だったかなぁ。

俺の携帯電話がピクリとも動かなくなったのは。

まぁこれに関しては後ほど別のところで書こうと思いますが。



という訳で父と俺による男だらけの紅葉ツアースタートです。

さて、これからどんな綺麗な風景が見れるのか。
ワクワクしていた俺の目に真っ先に飛び込んできたのは下のように書かれた看板でした。


「危険です。よそ見しないでください。」


いや、確かにね、足元は濡れてて滑るし、道が細いからよそ見をしてたら危ないと思うんですよ。
真っ直ぐ前を見て歩かないと滑って転んでさぁ大変とか、崖の下に転落して大流血なんて事になり兼ねないですから。

でもね、我々は紅葉を見に来ている訳ですよ。
よそ見をしに来てるようなものです。

それなのに「よそ見をするな」とはあんまりです。
中華街に来た観光客に「肉まん食うな」って言ってるようなものですよ。酷過ぎます。


で、まぁこの看板は見なかった事にしました。
景色を堪能する事に決めました。

都合の悪い事はすぐに消去できる脳味噌で本当に良かったと思います。
俺の脳内のシュレッダーは超高性能です。



肝心の紅葉ですがまだ少し早かったらしく、ピークの時のそれではありませんでした。

とはいえところどころ綺麗に色付いており、俺を感動させるには充分でした。

自然がいっぱいっていいですね。
紅葉っていいよね。
船って風流だよね。
滝って荘厳だよね。

テンション上がりまくりでした。


その結果、トータルで3時間以上歩きました。
気が付けば三段峡じゃない場所まで歩いてました。
もうホント膝割れそう。


楽しかったのですが、唯一難点があったとすれば吊り橋です。

3回吊り橋を渡ったのですが、これがなかなか恐いのです。
高所恐怖症の人間にはちょっと辛いものでした。

中でも最初に渡った橋は物凄くよく揺れるのです。
向こうから知らないおっさんが一人来ただけでギッシギシと揺れるのです。恐過ぎる。

しかも何やら注意書きのような看板が立てかけてあり、それを見てみると

「橋を揺らさないでください。(定員15名)」

いやいやいやっ!
揺れないように作ってくださいよ。頼むから。
どんなに静かに渡っても揺れますって。


それさえ無ければ82点くらいの観光でした。
とても楽しかったです。



帰りに土産物屋で名物と言われている『串だんご』という物を食べてみたのですが、これがまた微妙。

甘くもなく辛くもなく…。
焼きたてのくせにそれほど香ばしくもなく…。
餅のような物なのに歯応えは無く…。
決して不味くはないのですが、美味しくもないといった味わいでした。


美味しい食べ物を三段峡に求めちゃダメだという事が発覚しました。

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