07/23の日記

01:33
終焉
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22日午後4時。
止まらない鼻水を垂れ流しながらも箱根から這うように帰宅し、泥の様に眠りました。

そして午後7時過ぎ。
目が覚めました。
温泉で溺れる夢を見て起きました。割と最悪な目覚めでした。

温泉がこういった形で俺の心に襲い掛かるとは…。
温泉すら信じられない世の中で俺は一体何を信じて生きていけばいいのだろう。


その後はしばらくぼ〜っとしたり忘れないうちに日記を書いたりして時間を過ごしていました。


そして午後9時前。
俺の携帯電話が鳴りました。


相手は温泉旅を共にした友人N。

何かあったのかと思い、電話に出る俺。



「来ちゃった♪」


来ちゃった?


………。



今にも爆発しそうな『嫌な予感』を必死で抑えつつ、恐る恐るドアを開ける俺。


そこには見慣れた黒尽くめの男がはにかみながら立っていました。

それは紛れも無く魔王N。
もはや俺がその姿を見間違う事はありません。



また出たよ、このおっさん!

今度は何しに来たんだ!?


歓迎ムード0の俺を気にする様子も無く、Nはずかずかと俺の家に入ってきました。


どうやら彼は今まで会社の上司と飲んでいたらしいのですが、どうしても9時から放送される『ルパン三世』を見たくなり、上司との飲みを早々に切り上げて俺の家まで来たのだそうです。元気な男です。


因みに彼のテレビは只今故障中。
只今、というか何ヶ月も前から故障中。

にも拘らず「ルパンが見たい」という気持ちをどうしても抑える事が出来なくて俺の家まで来たのだそうです。
かなりの情熱です。
そこまでの情熱があるのならさっさとテレビを買い換えればいいと思います。
彼の情熱はいつでも間違った方向へと動きがちです。



ルパンが始まるや否や無言になる友人N。

随分夢中で見てるなぁ、子供の様だな、と思っていたのですがこれは最初だけでした。
開始15分後には座布団を枕代わりにし、寝る体勢を整え始めました。

すっかり寛ぎモードのN。
その姿は惰眠を貪るトドの如し。


そんな感じでご機嫌でルパンを見ていたのですが、開始45分後くらいに彼に電話が掛かってきました。

職場のバイトの女の子からのようで、悩み相談を受けていました。子供が出来ただの、出来ないだの。
意外と真摯な対応で驚きました。


20分ほど悩みの相談を受けたNは「(電話に)出るんじゃなかった…」と溜め息をつきながら電話を切りました。

そしてルパンのストーリーを見失った事に腹を立て、どうしてくれるんだ等と言ってきました。


いや、俺に言われても…。
どうしようもないですけど。



その後はこれといったトラブルも無く最後までルパンを見たN。

気分が良くなったのか「よし、じゃあ今日はこれから竜太郎の家で宴会だな♪」等と言い出したので、すき屋に連れ出し食事を取った後、そのまま追い返しました。
宴会になんか付き合える訳が無い。
俺の体力は底無しではないのです。



そんな感じで俺の貴重な連休は幕を閉じました。

有意義だったような、決してそんな事は無いような…。
複雑な2日間でした。

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