11/11の日記
05:50
すき屋の怪
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夜3時過ぎ、仕事終わりに職場の人達と3人ですき屋で食べてきました。
真夜中にすき屋に入る男3人。
しかし何故か「いらっしゃいませ」の一言がありません。
テーブルで落ち着く男3人。
しかし何故か店員が注文を取りに来ません。
勿論水もありません。
なんだ?
俺達が入ってきた事に気付いてないのかな?
待てども待てども店員は出てきません。
「すみませーん!」
大きな声で店員を呼ぶ俺。
それでも何も応答がありません。
まさかいないのか?
おかしいな…。すき屋ってセルフサービスでしたっけ?
俺の知ってる限りそんなシステムではなかった筈なんですが…。
中をじっと覗く俺。
よぉ〜く見ると物陰でぐっすりと眠っている40歳位の店員を発見しました。
「すみませーん!!」
もう一度大声を出してみました。
それでも店員は起きません。ピクリともしません。
もしかして死んでいるのでしょうか。
仕方無いので厨房の中に侵入し、店員を起こす事にしました。
肩を2、3回叩く俺。
「んぁぁ?あぁ…」
漸く店員は起きました。
「スミマセン」の一言も無く。
その店員は汚い感じの無精髭を生やし、驚く程虚ろな瞳の持ち主。
頬の肉が弛み、しわだらけの顔で典型的な駄目オヤジの顔立ちでした。
ビックリする程駄目な顔です。全く生気が感じられないのです。
おそらく日本でトップクラスの甲斐性無しでしょう。
何故この不景気のご時世に職があるのかが不思議です。
漸く起きたそのオヤジはダルそうに注文を取りに来ました。
そして数分後注文通りのメニューを持ってきました。
取り敢えずその店員の事は忘れ、和やかに食事をする3人。
食べ終わった後も少し話をしました。
そしてそろそろ会計を済ませて外に出ようとした時。
またしても店員が出てきません。
いくら待っても、いくら呼んでも出てきません。
おいおい、まさか…。
厨房の中を覗く俺。
物陰で熟睡する駄目オヤジ。
あれれれれ…。
どういうつもりなのかな?
もしかして俺達をナメているのかな?
撲殺しちゃってよいのかな?
温厚な俺でも時には獣の様に荒ぶれる事だってあるのだよ?
しかしそんな俺より先にキレたのはU先輩(元・柔道家)でした。
U先輩「てめぇ、やる気あんのか!こらぁぁぁーーーっ!!」
厨房に怒鳴り込むU先輩。
怒鳴り声に反応し、ビクッと起きた駄目オヤジ。
しかし時既に遅し。
U先輩の怒りは頂点に達しています。
こうなったらどうしようもありません。
俺に出来る事は駄目オヤジの冥福を祈る事のみ…。アーメン。
どんな技が見れるのだろう…。
内心ドキドキしながら状況を見守る俺。
しかしU先輩は大人でした。
駄目オヤジを座らせ、説教をするU先輩。
得意の柔道技は飛び出しませんでした。
そして一通りU先輩の説教が終わったところで会計を済ませ店を出ました。
驚くべき事にその駄目オヤジからは一言も謝罪の言葉はありませんでした。
説教されているにも拘らず。
最悪の気分で店を出る3人。
帰り際に店内を覗くと、なんとそのオヤジは本来客が座る筈のカウンター席で眠っていました。
こいつ、駄目だ…。
無神経にも程がある。
というより逆にこいつ大物だ。
ゆっくりと眠る駄目オヤジ。
他の客なんてお構い無しです。きっといい夢を見ているのでしょう。
お客様相談センター(?)に通報されている事も知らずに。
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