10/28の日記
10：32
竜太郎木曜サスペンス
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どうも最近職場の他部署の方々（主に女子）が俺に対してよそよそしい。
以前は俺が事務所で休んでいると何かと話し掛けられていたのですが、現在はそれが殆どありません。
微妙に避けられているような感じです。
どうしたんだろう、俺何か悪い事したかな、と思いながらもあまり気にしていなかったのですが、今日その原因がはっきりしました。
俺が事務所で一休みしていると女子Ａがおどおどと近付いてきました。
いつも妙にテンションが高いのにやや改まった感じで話し掛けてきました。
「あのぉ…、一つ聞きたい事があるんですけどいいですか？」
なんだろう。
この子は一体俺の何を知りたいのだろう。
犯罪染みた事じゃなければいいけど…。
少し身構える俺。
その女子から出てきた言葉は次のようなものでした。
「…竜太郎さんってＭ子さんと付き合ってるんですか？」
…今、何と？
聞き間違いじゃなければ「俺とＭ子さんが付き合ってるかどうか」を聞いてきたよね？
勿論付き合ってる訳ないよね。
好き好んであんなのと付き合う訳がないよね。
多少付き纏われてる、いや取り憑かれてるのは認めますが。
決して付き合ってはいません。神に誓って。
俺はマニアではないのです。
はたまたボランティアでもないのです。
なんでこの子は急にこんな事を聞いてきたんだろう。
嫌な予感に包まれる俺。
「だってＭ子さんが最近竜太郎さんと付き合い始めたって言ってましたよ」
あぁ〜、いたたたた…。
シャレになってないよ、これ。
出たよ、必殺・虚言癖。
（※説明しよう。『必殺・虚言癖』とはありもしない事を事実として言い触らし、相手に精神的かつ社会的ダメージを与えるという心に闇を持つ者特有の必殺技なのだ！）
皆さんの俺に対する態度がおかしかったのはこのせいですか。
今漸く真実が掴めましたよ。
そりゃＭ子さんと付き合ってるとしたら接しづらいですよね。
だってＭ子さんと付き合うなんてまともな人間のやる事じゃないですから。
たとえ国から支援金が出ても嫌ですよ。
その後その女子に事実関係をはっきり説明し、何とかその誤解を解きました。
そして職場の皆さんに誤解である事を伝えて欲しいとお願いしました。
基本的にこの手の噂は放っておく主義なのですが今回ばかりはそうはいきませんでした。
俺の人間としての尊厳に関わってきますから。
さて、ここでささやかな相談事があるのですがいいですか？
そろそろ訴えていいですか？
今がまさに訴え時だと思うんですけど。
かなり勝訴を勝ち取る自信はありますよ。
これだけ社会的地位を傷付けられたんですから。
これまでは仕事面ではそこそこ信頼があったんですよ。
ところがＭ子さんの虚言のせいで人間性まで疑われる羽目になりましたからね。酷いもんです。
日本の法律はきっとこんな俺を救ってくれると思うのです。
そんな日本であって欲しいのです。
まぁ、それ以前にストーキングは犯罪行為ですしね。
やれやれ、Ｍ子さんにも困ったものです。
物凄く迷惑ですよ。
正直なところＭ子ネタにも飽きたしね。
Ｍ子さんもそろそろ俺に飽きてください。お願いします。
そんな感じです。
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