10/13の日記
04:45
疲労の海へ
---------------
今働いている職場には嫌いな人がいます。
M子さん(仮名・28歳)という人です。
個人的に嫌いな人、苦手な人というのは多い方なのですが、このM子さんは別格です。
多分俺個人だけでなく職場の皆が嫌っています。上司から新人のバイトまで幅広く。
かなり癖のある人なのです。
まずこの人はとにかく仕事が出来ません。
もう既に半年位働いているにも拘らず、入って3週間の新人より仕事が出来ないというダメっぷり。
きっと仕事を覚える気が無いのでしょう。
もしそうじゃないとしたら凄まじい程の無能さです。
まぁこれだけなら他の人がフォローしながらやれば良いので、それ程問題ではありません。
周りには多少の迷惑を掛ける事になりますが、皆が嫌う理由にはならないでしょう。
一番の問題は彼女の人間性です。
まず出来てないところ、ミスを注意すると大量の言い訳をしたり、他の人のせいにしたりと非常に感じが悪いのです。
反省なんてしないのです。謝る事もありません。
更にその事を上司が注意すると「なんで私ばかり嫌うんですか!?」、「私なりに一生懸命やってるのに何で私ばかり怒られなきゃいけないんですか!?」等と逆ギレ。
挙げ句の果てに「怒られてパニックになった」という訳の分からない理由で救急車を呼ぼうとしたり、「怒られて体調が悪くなった」と早退する始末です。
その上、他の人の告げ口をしたり、悪口を言ったりとやりたい放題。
そして「自分だけは一生懸命やっています」というアピールを欠かしません。
もはや少し頭が悪いとか、性格が汚いという次元の話ではありません。
完全に頭がおかしいとしか思えないのです。
奴が男だったらかなりの確率で殴ってると思います。
そんな訳で職場でも出来るだけ距離を取ろうと心掛けている竜太郎。
無駄なエネルギーは使わないに限ります。
自ら面倒な道を歩みたくはないのです。
が、そんな俺にハプニングが…。
今日は朝から色んな所に動きまくり、家路についたのは日付が変わってからでした。
グッタリと疲れて歩いているとマンションの前に人影がある事に気付きました。
小柄できのこの様な頭の影がそこにありました。
奴です。
M子です。
M子が何故か俺のマンションの前にいるのです。
ええ、勿論我が目を疑いました。何度もね。
でも見間違いなんかじゃありませんでした。
奴は間違い無くそこに立っていました。
でもM子も同じ街に住んでいる人間です。
もしかしたらこのマンションに彼女の友達が住んでいるのかもしれません。そんな事があっても不思議じゃありません。
きっとその人の事を待っているのでしょう。
俺じゃない…。俺じゃない…。
自分にそう言い聞かせ、目を合わせないようにこっそりと奴の横を通り抜けようとする俺。
しかし…
M子「あのぉ〜、竜太郎さん。」
あぁ〜、いたたたた…。
俺だったよ。やっぱり俺だったよ…。
都合よく俺と同じマンションに奴の友達がいる訳ないですもんね。
よく考えたら以前この人「友達いない」って言ってたし。
で、何の用なの?この人は。何がしたいの?
M子「遅かったですね〜。どこ言ってたんですか?」
竜太郎「まぁ、色々と…。」
M子「お腹空いてません?今からご飯食べに行きません?」
竜太郎「いや、別に。」
本当は物凄く空腹でしたけどね。
ここは我慢しなければいけません。行けば奴の餌食です。
奴とは関わりたくないのです。
しかしM子は諦める事無く話し掛けてきました。
M子「竜太郎さんに話があるんですよ。少し付き合ってくれませんか?」
竜太郎「いや、今日は疲れてるんで…。話なら今度職場で会った時に聞きますよ。」
この後もM子と俺のやり取りは続きました。
断固として断る俺としつこく誘うM子。凄まじい粘りです。
仕事もこのくらい一生懸命やれば良いのに…。
このままだと一向に家に帰れないと思った俺は、はっきり言う事にしました。
竜太郎「あの〜、本当に無理です。行けません。それと急に家に来られるのも迷惑なんで止めてください。」
そもそもこの人はどうやって俺の家の場所を知ったのだろう。
謎だらけです。不思議とストーカーの臭いがします。
するとM子は淋しそうにこう言いました。
M子「…なんか竜太郎さん、最近私に対して冷たいですよね。何度も電話してるのに出てくれないし。」
竜太郎「最近っていうか俺は誰に対しても冷たいですよ。別にそれはM子さんだけに対してではないです。」
M子「そんな事無い。竜太郎さんは優しいですよ。」
どっちだよ!?
一体何て言えば納得してもらえるんだ!?
早く解放してください。お願いします…。
ていうか電話に出ないって何ですか?
そんな電話知らないですよ。お互い電話番号知らない筈だし。
…ん?ちょっと待てよ。
そういえばここ数日、謎の非通知着信が昼夜を問わずありましたけど…。
気持ち悪くてオール無視しましたけど、あれってまさか…。
M子「はい、私です。」
お前かよっ!?
完全にストーカーじゃないですか。
この後何とか説得し、漸く家に帰れました。
時間にすると5分程度のやり取りだったと思うのですが、とても長く感じました。
疲労も半端じゃありません。勘弁して頂きたいものです。
それでなくても最近よくM子に絡まれて疲れてるのです。
「仕事で分からない所がある」と部署の全く違う俺の所に来てみたり、店にやたらと電話してきたり。
更に「みんなで食べてください」とクッキーをいう建前の変な物体を食べさせられたり。
これは酷かったです。
味も何もしやしない。無味無臭なのです。
小麦粉の塊を食べているような感覚に陥りました。
しかも一口食べただけで口の中の水分が全て持っていかれるのです。
どう考えても『人の唾液を吸い取る兵器』だとしか思えませんでした。
これを食べろだなんて拷問ですよ。
全部食べましけどね。
他の人が全然食べないから。
あれ以来唾液の出が悪いような気がしてなりません。
あぁあ〜、なんか妙にM子になつかれてる気がします。
昔から変な人が近付いてきたりするんですよね。
なんでだろ。俺はこんなにも正常なのに。
もしかして珍獣コレクターの素質があるのでしょうか。
これからM子からの被害が拡大しないといいなぁ。
心の底からそう願っている竜太郎なのでした。
前へ|次へ
□ 日記を書き直す
□ この日記を削除
[戻る]