10/16の日記

03:28
暗黒の女神
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数時間前、風邪をひいた俺の下にある友人が訪ねて来てくれました。お見舞いってやつです。
ありがたい事です。やはり持つべき物は友人ですね。


その子はわざわざサンドイッチを作ってきてくれました。
なんて心優しい女の子なんだろう。まるで女神のようです。


「家にあんまり材料なくてサンドイッチくらいしか作れなかったんだ。初めてサンドイッチ作ったから美味しくないかもしれないけど…」


なんて謙虚な…。

サンドイッチなんて普通に作ればまず失敗する筈の無い食べ物。奥ゆかしい発言じゃないですか。
とてもいい子だ。


しかしその蓋を開けた瞬間衝撃が…。



なんでパンにメロンが挟んであるのかな?


「フルーツサンド作ろうとしたんだけどメロンしか無くて」


いやいやいやっ!

じゃあ諦めろよ!


しかもただパンにメロンが挟んであるだけですよ。
工夫ゼロ。
予想通りの味がしました。パンとメロンを同時に食べた味です。


メロンもったいねぇ…。

絶対別々に食った方が旨いよ。
ハムとメロンより相性悪いよ。

作ってる途中、何も疑問に感じなかったんだろうか。これでいいと思って作ってたんだろうか。
理解不可能です。

それに食パンが明らかに6枚切りなのも気に入りません。
パン厚過ぎ。
サンドイッチには不向きです。



しかしサンドイッチはこの一種類だけではありませんでした。


レタスと黒焦げの何かが挟まれた物体があるのです。


「これは何?」


「家にししゃもがあったから焼いてみたの」


なんだと!?

ししゃもサンドっすか!?
本気で言ってんのか!?

焼いてもいいけどパンに挟むなよ!
そして黒焦げになるまで焼くなよ。

なんだか食ってくれるなって感じの焦げっぷりなんですけど。
「僕、発癌性物質です」
って言ってるような気がするんですけど…。


とりあえず食べてみたんですが…


まずぅ…。


一体ししゃもにどんな味付けをしたんだろう…。
ししゃもとパンがお互いの良さを殺し合い、口の中で地獄のハーモニーを奏でております。
なんなんだ、これは!?


ししゃもをパンで挟むという事に関して罪悪感は無かったのかと聞くと彼女は

「そんなの習ってない」

とお答えになられました。


考えろよ!
考えればわかるだろ。

授業で習わなかったのはそんな事教えなくても誰でもわかるからだよ。


俺は風邪をひいてるんだ。できればもっと体に良さそうな物を食べさせてほしかった。
なんとか全部食べたんですが体調が回復に向かいそうな気がしません。あんなの食べて大丈夫だったんだろうか。
不安でいっぱいです。

とりあえず彼女には早急に帰ってもらいました。

「私、お粥作ってあげる」

などと言ってましたが、ししゃもをパンで挟むような女にお粥が作れる訳がありません。
終電が無くなる前に帰らせました。


無事彼女が家に帰れますように。
そして俺がお腹を壊しませんように…。

そう切に願うのでした。

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