◇zack×aerith◆
□いつもそうだよ。/微切甘
2ページ/5ページ
きゅっー…
また胸が締め付けられる。でもそれは、苦しみや悲しみからくるものではなくて。
幸せからくるものだとわかっているから、私はこの感覚がくるたびに思わず笑顔になってしまう。
「ん?どうしたエアリス」
教会の床に大きく大の字に寝そべっていた彼が、私の突然の笑みに疑問を持ったのか、問いかけてくる。
寝そべると言っても、寝るつもりなんかはない。その理由は本人からは聞いてないけれど、言われなくてもわかる。
「ううん。なんでも、ない」
「そっか」
そう言って彼も笑う
"幸せ"ってこういうことを言うんだなって、なんかしみじみ思う。
ソルジャーというのはいつでも死と隣合わせという危険な仕事だから、心配で心配で仕方がない。
でも、夢と誇りを持って仕事をする彼を見ると、なんだか彼にこの仕事はぴったりなんじゃないだろうか、とも思う。
それに、少しでも時間があれば私に会いに来てくれる。
だから彼はいつも走って疲れて忙しそうで。
でも「大変なら来なくていい」と前に言った時、彼は酷く悲しそうな顔で「俺がエアリスに会いたいんだ」と言ってくれた。だからもう、そんな言葉は言わない。
そして、たくさん"好き"をくれる。
方法もさまざまで、言葉で伝えてくれるのはもちろん、行動で伝えてくれることもたびたび。
その言葉も、ストレートだったりこっていたりなど、1つだけではない。
彼は私にすべてをくれる
明るい笑顔、温かな声、優しいぬくもりにありったけの幸せ
そんなザックスが好き!
なんて言ったら調子にのるから、絶対本人には言ってあげない。
そんな幸せのなか、最近不安も感じるようになってきた。
いつからだろう
"自分だけなのかな"なんて思い始めたのは…
.