◇zack×aerith◆

□夢じゃない/切甘
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キーコー

キーコー…



「なんか軋んでる音するな」

「古いから、ね」


「でもそれが好き」なんて彼女は言うけれど、俺にはよくわからない。

古いからこそ価値がある、というのも勿論あると思うが、この公園のブランコに関しては新しい方がいいだろう。

軋む音もするし錆びている。


「………」


ふと彼女を見る。

座ってブランコをこいでいる彼女と、立ってこいでいる俺。ここからは彼女の頭しか見えない。

顔を見ようと、俺は立ちこぎを止め、先程からギシギシと五月蝿いブランコに座る。



キーコー

キーコー



彼女のペースに合わせてこいでみる。
凄いスローペースだ。


じっと彼女を見ていると、やがて眠そうに大きく欠伸をした。


「眠い?」

「うん、少しだけ」


目をこすりながらにこっと笑う彼女が可愛くて、俺は立ち上がり彼女の後ろに回る。

そのまま後ろから抱き締めると、腕の中にすっぽりと収まった。


すると、暫くして彼女が俺に体を預けるように寄りかかってきた。
どうやら眠ってしまったようだ。

彼女のふわりとした甘い香りと、温かな体温に、俺もゆっくり目を閉じた。









キミを

見つめる



「エアリス…」






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