◇zack×aerith◆

□いつもそうだよ。/微切甘
3ページ/5ページ


「エアリス」

「なぁに?」

「好きだ」

「なにそれ」

「いや、なんとなく」


いまだに体制は寝転がったまま。突然、"好き"って言葉を、挨拶のようにさらっと彼は言う。

のに、


私の心は跳ね上がる


何度言われても、嬉しさと恥ずかしさで顔は赤くなるしドキドキする。

私だけいつまでも付き合いたてのような気分で、なんだかバカみたい。


嬉しかった言葉も、今は不安になる原因のようになってしまった。


「………」

「エアリス?」

「…ん、なぁに?」


そんなことを頭の中で考えていたら、彼が読んだことにすぐ反応出来なくて。

彼の透き通った蒼い目が、不安げに曇った。


「どうかしたのか?」

「なんでもない」

「嘘つくな」


そう言ってずっと寝転がってた彼は、体を起こして私の前に胡座をかいて座った。


そんな彼に、私はそのままの気持ちを聞いてみることにした。


「ね、私のこと、好き?」

「あぁ、当たり前だ!」


なんの迷いもなく、その屈託のない笑顔を私に向ける。

不安じゃないのかな。言葉のマンネリ?不満?ううん、マンネリだったらドキドキしない。

この胸につっかえるようなモヤモヤは、やっぱり"不安"なんだろう。


「なんだよ、なんか不安なことでもあるのか?」

「………」

「…な、図星?」


彼は読心術でも備わってるのかと驚いたけど、全然そんなのではなく、ただ軽い気持ちで聞いただけだったみたい。

あんまり吃驚したからつい私も顔に出ちゃったみたいで、その顔を見た彼は、私より一層吃驚した顔になった。





.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ