SOS団の本

□眼鏡
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それから25分、会話がないどころか、一言も発しない俺は開け放した窓から入ってくる風のわずかな音や古泉のペンが動く音を聞いていた。


途中でハルヒがやってきて、なんだか知らないが

「今日は臨時休業にしたから!じゃ!」

と嵐のように去っていき、また元の静けさに戻ったこの空間に俺は睡魔がやって来るのに気づいた。

あー、眠い。

古泉は依然課題に取り組んでいる。

俺は机に突っ伏した。

そして、腕の間から古泉を見る。

かっこいいな、コイツ。

それもなんだかわからないけど、眼鏡のせいでエロさが増しているような気がする。

あぁ、こんなのに襲われたら結構楽しいかもな、スリルがあって。


…って俺はまたこんな…ド…Mな…発…げんを……。



「…ん…ん?」

意識が覚醒する。

俺あのまま爆睡しちまったのか。

やばい。

どれくらい寝たか分からないが、かなり寝ていたはずだ。

重い頭をおこす。


「…お目覚めですか?」

机を挟んだところに古泉がいた。

いつもの微笑みが浮かぶ。

俺は目を擦って完全に覚醒しようと試みる。

「お前、もう終わったのか?」

目の前にあったあの課題たちは、すっかり片付けられていた。

ついでに、古泉の眼鏡も隅のほうに置いてある。

「えぇ、何とか半分は」

「もう半分はどうすんだ」

「家に帰ってからということで」

「…そっか」

もう少し眼鏡姿を拝ませてもらいたかった気もするのだが。

「俺、どれくらい寝てた?」

「結構ですね。正確には分かりませんが」

ふと疑問が浮かんだ。

「…お前、いつ課題終わらせたんだ?」

「15分ほど前です」

「その後は何してた…?」




「あなたの可愛い顔を観察させていただきました」






まさか、15分も俺の顔みてたんじゃ?


「えぇ、可愛かったですよ」

急に恥ずかしくなる。

15分も人の寝顔見るやついるかよ。
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