SOS団の本
□眼鏡
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「どうかしましたか?」
眼鏡をかけた古泉が俺を見た。
「…い、いや、なんでもない」
おいおい、ヤバいぞこれは。
何でこんなに心臓の音がうるさいんだよ!
眼鏡をかけた古泉は予想以上に、いや、かなり反則に近いくらいかっこよかった。
完壁に近いのではないかと思うくらいのイケメンがそこにいて、俺を見てくる。
俺が女子なら、好きでなくとも失神してぶっ倒れて意識不明の重体になってるね。
いや、もしかしたら男子でもハートを光の速さくらいで射抜かれてるんじゃないのか?
「僕の顔何かついてますか?」
古泉が俺をさらに見つめてくる。
おい、その顔で見つめてこられるとどうしたらいいか分かんなくなるだろうが!
「な、何もついてないから!さっさとそれ、や、やっちまえよ!…ほら、早くやんねぇと終んねぇぞ!」
古泉を直視できない。
やばいぞ、なんかこれ、本当にやばくないか?
これ、おい!誰か気の利くヤツが助けに来たりしねぇのかよ!
顔が熱い。
たぶん俺の顔真っ赤だろうな。
古泉には見られまいと俯いてみるが、これはこれでおかしい。
「…はい、わかりました」
い、今コイツ笑わなかったか?
笑ったよな?
まさか顔赤いのバレてる?
でも古泉は今の言葉のあとには何を言うのでもなく、目の前にある膨大な量の課題に手をつけはじめた。
古泉が俺を見ていないのを確認したあと、俺はじっくりと考えた。
古泉って元の顔が整っているから、ふと眼鏡とかかけたりするとまた新鮮って言うか、別のかっこよさがあるよな。
あいつはどこまでいいとこ取りしていくんだよ、まったく。