創られた国のアリス
□第2章
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その時、聞こえた時計の音。
カチコチと秒を刻む音。
私が気付いていなかったのか、それとも急に現れたのか。
その答えは私には分からないだろう。
「……とりあえず探してみますか…。」
何をしたらいいのか分からない私にはちょうど良かった。
ひとまず私は広いのか、狭いのか分からない空間を時計の音に向かって歩き始めた。
―――――
「ハァ…。歩いても歩いても見当たらないなんて…。」
あれから少なくとも30分は探し歩いただろう。
近くで遠くでカチコチと聞こえる時計の音。
気が狂いそうになる何も無い白い空間。
「あー…なんなんですか、もうっ!」
何も進んでる気がしなくて泣きたくなってきた。
そして来た道を戻ろうとした…が、来た時にはなかった2つの光るモノに目を奪われた。
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