創られた国のアリス
□第2章
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しばらくの間、頭痛が酷くて頭を抱えてうずくまっていた。
何も考えられないほどの酷い頭痛。
痛くて痛くて、耐え切れなくなった私は意識を手放した。
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再び目が覚めた時はもう頭痛は止んでいた。
そして相変わらず真っ白な部屋。
いや、部屋なのかも分からない…。
何しろ果てが無いのだから。
「こんなところにじっとしていても仕方がないですよね…。」
誰かに語りかけている訳でもないが、思った事を口に出して気持ちを落ち着かせる。
それにしてもここは…?
周りが白すぎて外にいるのか、室内にいるのかさえ分からない。
加えて温度なども分からないため、五感が麻痺したようにも感じられる。
「はぁ…ダメですね…。」
分かるのは私のいた場所。
家や学校。
あれ?
…家族は?友達は?
私のそばにいた人は?
「まさか…人の記憶が無いの…?」
あぁ、意味がわからない。
頭がグラグラする。
気持ち悪い。
中途半端な記憶まで壊れてしまいそうだ。
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