脱色駄文

□虚ろの宮の破壊と秩序
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『虚ろの宮の破壊と秩序』




誰が僕らの世界を壊すのでしょう?

誰が僕らの世界を乱すのでしょう?



僕らは貴方達を侵しましたか?

僕らは貴方達を害しましたか?



秩序の内の、権利の重複で、貴方達の世界との摩擦が生まれるのは、今に始まった事でも無いでしょう?


そう、僕らは僕らの世界の秩序の内でしか、行動していないというのに……

そう、貴方達こそが僕らの世界の異物で、障害でしか無いというのに……


貴方達の正義は、僕らを敵と見なした時にしか成り立たない、危うく、傲慢で、主観的なモノだという事を理解していますか?



月の苑の、砂の大地の上に、幾千の夜を越えて、それでも成り立っていた秩序。


僕らはそれに満足し、そこに生きてきたというのに……



更け行くのみの、白と黒の夜が支配していた虚ろの宮。
それは泡沫にも似た砂上の楼閣だったかもしれない。




それでも、太陽の宮よりはずっと良かった。












貴方達が、それを奪ったのです。



解っていますか?

貴方達の都合によって生み出され、奪われていく命を……



解っていますか?

僕らが行なっている事は自己防衛に過ぎないという事を……




貴方達に僕らを殺す権利は無い。


誰にもそんな権利は無いというのに……




そう僕らを殺す権利は、僕らが貴方達を害した時にのみ、許されるモノに過ぎないというのに、貴方達は、さも義務のように、僕らを殺すのです。


いえ、義務だと思っているでしょう?

愚かしい。


貴方達の勝手な思い込みで、僕らの安息を決め付けないで。


僕らは貴方達を害さずに生きていきたかった。



それを許さなかったのは、他でも無い貴方達。















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