脱色駄文

□衝動の意味
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その腕が欲しい。

その脚が欲しい。

その眼が欲しい。












「どうぞ。奪って下さい。ノイトラ様。」


テスラは只笑っていた。












その髪が欲しい。

その舌が欲しい。

その耳が欲しい。












「はい。ノイトラ様の好きなだけ」


やはりテスラは笑ったまま…












俺はお前の全てが欲しいと言ってるんだぞ。












「既に僕は、貴方様のモノですから」


今更……
とテスラは笑うのだ。












そうじゃねぇ…











「?」












殺してでも欲しいって言ってんだ。












「でしたら、殺して頂いても構いません」


それでもテスラは笑う。












でも、殺したくねぇ。










「ノイトラ様の思うように、なさって下さい」


どうして、そんなにも嬉しそうなんだ?


「ノイトラ様は、分かっていらっしゃらないのですね」


少しだけ、その笑顔が陰った。











何がだ?











「お気になさらないで下さい。僕の我が儘ですから」


陰ったままの、だけれど何故か、吹っ切れた顔で、テスラは笑った。











訳分かんねぇ…











「ノイトラ様は、これでこそノイトラ様です」












あぁ、何か…分かった気がした。













俺はこれが気に入ってるんだ。


いつの間にか、テスラを含めて、俺の世界が形成されてた。











だから、もっと欲しかった。


だから、殺したかった。


だから、殺したくなかった。












俺の衝動の意味。












それは……



























独占欲











END.
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