お仕置き部屋

□ある夏の終わり
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「終わらねェ…」

それは夏休みが終わる2日前のこと。

俺は、終わっていない大量の課題の山と格闘していた。

高校の夏休みは、課外やら何やらで2週間ほどしかなく、それでいて鬼のように課題が出るのだ。

こんなに苦しい思いをするくらいならいっそ夏休みなどいらないと思ってしまう。
前半の1週間は部活の合宿などで潰れ、残りの1週間で課題をするはずだったのだが、合宿から帰ってきた直後、運悪く夏風邪にかかってしまい3日ほど寝込んでしまった。
普段風邪なんかめったにひかないのに、こんな時にダウンしてしまう自分の体が恨めしい。
そんな感じで今に至るのだが、結局計画性のなかった自分が悪いのだ。
友達の宿題を見せてもらおうかとも考えたが、うちのクラスに2日前にきちんと宿題が終わっている奴がいるわけがない。多分みんな同じような状況だろう。
元々あまり成績は悪い方ではないが、理系だから古文や現代文は大嫌いで。
それでもあと少しというところで、キリがいいので休憩を入れることにした。

そういえばさっきから総悟がやけに静かだ。
朝は遊んで遊んでと騒いでいたのに。

寝てんのか?

あいつが静かな時は何か悪いことをしている時が多い。

頼むから何もやらかしてくれるなよ…そう祈りながら下に降りていくが総悟の姿は見当たらない。

「おーい、総悟〜!どこいったんだよ?」
総悟の部屋も洗面所にも小さな姿は見えず。

ところがリビングに入った俺は、目の前の光景に一瞬声が出なかった。
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