お仕置き部屋

□病み上がり
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総悟が珍しく風邪をひいた。
めったに風邪なんて引かないし、道場の最年少ということで、近藤をはじめとする道場の人達は少々沖田に過保護なとこもあり、大袈裟なくらい心配してみんなで交代してつきっきりで看病をした。
看病の甲斐あって熱は下がったのだが、念のためだと医者が呼ばれた。
ところがいざ医者が沖田の部屋に入ってみるとさっきまで沖田が寝ていたはずの寝床はもぬけの殻だった。
医者を呼んだのが日の傾きかけた時だったので今はもう薄暗くなりはじめている。外はもう肌寒い季節だ。
道場の人々総手で総悟の捜索がはじまった。俺も総悟探しに加わっていた。
何を思って出ていったのかなんて分からない。でもアイツは頑固で強情だから説得してつれもどさないと、絶対に自分では帰ってこないだろう。
病み上がりでまだ体調も優れないはずだから早く見つけねぇと…

そんなことを思いながら武具が入っている倉庫の前を通った時、かすかに中で音がしている気がした。
戸を開けて灯りで照らしてみると沖田が寝巻きの袴一枚で倉庫の隅に膝をかかえてうずくまっていた。
「総悟…お前ぇはこんなとこで何やってんだ!?」
心配がなくなりホッとしたのと同時にカッとなり、思わず怒鳴りつけてしまう。
「なんだよ、土方か・・・ちぇっ、バレねぇ自信あったのになぁ」
総悟は、俺を見るなり苦虫をかみつぶしたような表情で見上げてきた。
まったく・・・人が心配して探しているとこれだ。
「ったく、お前ェは!こんなとこにいたらまた風邪ひどくなるだろうがっ!帰るぞ。」

総悟の腕を引っ張り無理やり立ち上がらせようとしたが総悟は動かない。

「いやでィ!!」
「あぁ?何でだよ!?」

詰め寄ると下を向いて黙ってしまう。
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