◆◇心は狼◆◇

□恋心
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人の話し声がする・・・


「誰かいるみたいだな」

――シャッ
少しカーテンが開けられた。

「あっ!こいつじゃない?生意気な一年の奴」


小声で話す男がいる・・


「どれ?・・・本当だ。イイ顔の奴は寝顔もかわいいんだな。・・腹立つ」


・・何だそれ?何だその理由は?

俺は寝たフリを続ける事にした。


「なになに?お前こういうのタイプなの?」

「そういう意味じゃねぇだろ。俺は男に興味ないし」

「こいつどうせサボリだろ。なぁ起こして連れてこーよ」


どうやら三人いるみてぇだな。

連れてかれても厄介だ。

俺は薄目を開けて睨みつけると静かに言った。


「うるせぇよ」


「・・・なっ!?んだとってめぇ・・」

―――バシッ・・・・・・

声の主とは違う男が透を殴った。

「・・・・・ってぇ・・・・」

はぁ。俺また殴られてるし。

すぐさま起きあがると別の奴に殴りかかった。

その隣にいる奴の腹に蹴りを入れて地面に降りる。
もう一人を殴ると別の一人に腹やら腕やら殴られまくって・・

後ろから制服を引っ張られて突き飛ばされた。

そのままベッドに倒れ込む。

仰向けになって起き上がろうとすると、男が一人覆い被さってきた。

別の一人に両腕を押さえつけられて、殴られると思ってキツく目を瞑った。

――――ガラッ

「・・・・・・・・・・・・・・」


「・・あっ・・マキさん・・」

ドアを開ける音がして誰かのゆっくりとした足音が聞こえて止まった。


「何してんの?レイプ?」

「・・・・っちが!・・・・チッ・・・行くぞお前ら」


バタバタと走り去る音が聞こえる。
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