俺は太陽のおかげで生きてこれたけどやっぱり太陽は嫌いだった。ンなもんだって太陽が無かったら俺がいなくて、俺が人々から非難させられることも無かったはずだから。太陽に生かせて貰ってるのに、太陽が大嫌いだなんて。俺は相当、ひねくれている。

 いつものように電気ばっか使ってジム改造をしていたら、やはり苦情が扉越しに沢山飛んできた。町の電気は俺のもの。電気を作っている太陽も俺のもの。他人にどうこう言われる筋合いなど無いと、少なくとも俺は思っている。しかし、俺だけのもののはずの太陽は俺以外の奴も明るく照らし続けている、それがどうにも気に食わない。お前は俺のためにいるんだろ?お前は俺のために輝いているんだろ?いっそのこと俺だけを照らし続けてくれ、俺だけを愛してくれよ、

 (室内で大切に大切に育てていた鉢植えを太陽の光に浴びさせてやろうと外に出したのが、俺と君の最後のアイコンタクトだった。あまりにも眩しい笑顔で俺の友達をしわくちゃに押し潰していたお前を、愛しいはずなのに憎らしいと思った。あまりにも眩しすぎるその笑顔は他の物を犠牲にして輝いているのだろうか。生憎、俺には分からない。)

 生き返ることの無い植木鉢に水をやり続ける。皿など敷いていないそれを机に置いていたらいつのまにか溢れ反っていた水が机の足を通じて床に広がっていた。暗闇に滴るそれは何とも言えない美しさが備わっている。太陽の光を浴びもせず暗闇でひっそりとしわくちゃな姿のまま居座るそれを美しいと思う者はきっていないだろう、俺を除いては。仕方がない話だ、俺はひねくれているから。天の邪鬼では無い、ひねくれているのだ。ひねくれ僕、こんな俺を愛してくれるのはしわくちゃな君と人殺しな太陽だけだろう。


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