あいつは
雷電娘々が
好きだと言
った。俺は
フェザーマ
ンが好きだ
と言ったら
なんと言う
か、違うら
しい。あと
、ブラック
マジシャン
ガールが好
きだと言っ
ていた気が
する。持っ
てねぇじゃ
ねぇか、と
返したら凄
く悲しそう
な表情をさ
れたので、
俺は翔も好
きだぜ!と
言ったら、
僕もアニキ
が大好きだ
よ!と言わ
れた。目の
下がちょっ
と、じんわ
りと熱くな
る。   

「じゃあ、
雷電娘々と
俺とじゃど
っちが好き
なんだ?」

「ええ、ア
ニキったら
そんなこと
聞くの?そ
りゃあ、迷
うけど…ア
ニキが一番
さ!」  

 また、次
はもっと顔
の真ん中の
方が熱くな
る感じがし
た。嬉しい
とかじゃな
くて、でも
やっぱすげ
ー嬉しい。
俺が一番。
こいつの頭
の中はきっ
と俺でいっ
ぱいだ。 

「そっか、
うれしーぜ
」    
「当たり前
でしょ。僕
のアニキな
んだから!
」    

 そう言っ
て笑う翔の
髪の毛は青
空だった。
万丈目の漆
黒の闇も、
明日香の輝
くブロンド
も、カイザ
ーの深海も
、エドの雪
の様な銀も
、ヨハンの
宝玉の様な
エメラルド
も、大好き
だ。でも、
もっと好き
なのが翔の
青空だった
。あ、いっ
けね、三沢
忘れてた。
まぁ良いや
、とりあえ
ず翔の澄み
渡る青空の
色が、俺は
大好きなん
だ。   

 でも、一
つ気になる
ことがある
、その気持
ちを翔は知
らない。翔
は、何より
も兄が大好
きなはずな
んだ。偽り
の兄では無
く、血の繋
がった兄を
愛してるは
ずなんだ。

 翔に、俺
と亮、どっ
ちが好き?
なんて聞け
ない。聞い
てはいけな
い。分かっ
ている、翔
が困った顔
をして首を
振り目を伏
せてしまう
ことくらい
。分かって
いる、本当
は一番がア
ニキでは無
く、兄さん
なんだって
ことくらい
。デッキを
シャッフル
していた翔
の手元から
ひらり、雷
電娘々が落
ちた。  

 俺は分か
っている。
翔が困った
顔をして首
を振り目を
伏せてしま
うのと同時
に、血の繋
がった兄弟
同士じゃ、
翔と兄さん
じゃ愛し合
えないと言
うことを。
だから俺は
思う、告げ
る。   

「俺、翔の
アニキで良
かったよ!
」    



(081019.偽
ったはず/
十代→翔)


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