A la carte

□狼と兎によるテンペスタ
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カカシ先生に言われるままフロ入ってバアちゃんトコ行けば、妙な術をかけられて地図を渡された。
なんだよくわからないままに道順を辿ると、アカデミーの地下に来た。

三つのドアの並ぶそれのうち、指定された一番奥のドアに入る。
と、普通の誰かんちみたいだった。
それと、いくつかのドア。

真ん中にソファがあって、そこでは既にカカシ先生が寛いでいた。

「よう。まあ、お座んなさいよ」

「カカシ先生、何だってばよ?この部屋」

オレの問い掛けに、遮ったのはドアが開く音と「げっ」という可愛くないリアクションの想い人。
出会い頭のソレは結構傷付くんだってばよ‥‥‥

「さ、」

ドアからサクラちゃんが出て来たんだけど‥‥どっから驚いていいのかわかんねってばよ!!

ぱくぱくと餌を強請る鯉みたいに口が莫迦んなってるオレに、サクラちゃんは渋面を手で覆った。

だってサクラちゃんの格好ってば、いつもの忍服でも普段着でもなく、寝る用の浴衣っての?
それに柔らかい幅広の帯で‥‥なんつーか、危うい!
スキがありすぎるってば!!

ほんのり色付いた頬っぺたと濡れた毛先に、サクラちゃんがフロ上がりってことがわかる。
わかるけど‥‥いつも感じない、サクラちゃんの色気がビシビシ感じるってばーーッ!!

見ちゃイケナイものを見た気分なオレはどうしていいかわかんなくて、思わず子供の頃みたいにカカシ先生にひっつく。

「カカシ先生‥‥今日は、そーいう事?」

溜め息と一緒に向かいのソファに座ったサクラちゃんが足を組んで、浴衣の合わせから膝下が惜しみ無くオレの前にお目見えする。
いつも膝下なんて出してるし、見てるハズなのに、なんか、すっごく目に眩しくって‥‥エロ仙人の小説の女の子みたいだってばよぉぉぉ。

どぎゅーーんって一気に体が熱くなって、オレ、今、間違いなく真っ赤だ。
クスクスと楽しそうに笑うカカシ先生は、この場を仕掛けた張本人らしい。

「何が‥‥あるんだってばよ」

「修業だよ。色事の、ね」

「色事、って‥‥‥」

徐々に、これから何が起きるのかわかり始める。

そ、それってば‥‥‥

ゴクリ、と喉が鳴るオレを笑わないで。

だって、目の前にいるのは初めて好きになった女の子。

据え膳も据え膳、いつも夢想していたそれがさあどうぞと差し出されてる。
顔や全身熱くてたまらないのに、手だけが妙に冷えて、強く拳を握った。


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