A la carte
□1111
1ページ/1ページ
お昼の休憩時間に、外で悪友いのと一緒におやつ片手にお喋りを楽しんでた。
ら。
ふと、陽射しが陰った。
目の前にいるいのが、目を見開いている。
なんだと後ろを振り返る前に、顎を捕られた。
無理矢理上を向かされた先に居たのは、口布をずらしている、銀髪の男。
何しに来たんだこの男と思ったのもつかの間、おやつに口に啣えたままのチョコレートプレッツェルをぱくりと持っていかれた。
ついでに、口唇もちゅっと啄まれた。
あまりにさらりとやられたもんだから、された私も見ていたいのも、唖然としてしまう。
サラっとしでかした男は目尻を下げ、口布を戻しながらにこやかに微笑っている。
「ごちそーさん」
そう一言残し、軽やかに歩き去る。
あんまりにもあっさりさらりとされたもんだから、いのも私も呆然としたまま戻れない。
口唇の感触は、啄まれた感触をしっかり残してて。
「〜〜〜ン、なろぉぉぉぉっっ」
正気に戻ったのは、男が視界から消えてから。
人前で、恋人でもないのに恋人のようなカカシ先生の戯れに、憤った私は、羞恥に身を染めて抗議すべく走り出した。
翌日、いのが「昨日はポッ〇ーの日だったのね〜」と言った。
恋人同士で、そのチョコレートプレッツェルを食べ合う日なんだそうだ。
結局、私はまたカカシ先生をブッ飛ばしに走り出すことになる。
今ドキ、合コンですらやらないよね!