稲妻11

□近いようで
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「はっ…ぁ…」

甘ったるい、喉から出かけたのをぐっと飲み込んだような焦れったい声が俺の耳に届く。ゆっくりと手を滑らせればそれに応じて堪えようと必死ながらも漏れてくる声が、響いた
俺は酷く高揚していた、サッカーをしている時よりも、どんな時よりも。
ただ目の前の、風丸の乱れた姿が俺の心を刺激するんだ。今まで見たどんな女子より綺麗なその顔が、肌が、髪が、全てがそそる

「ご…えんじ…」
「…何だ?」
「あっ…!く…」

聞き返しながらぐり、とわざと指の腹で強く擦ればビクッと身を震わせて大きく声をあげる。それに気を良くして緩く握って上下に手を動かすとぬるぬるとした液体が指に絡まり、勃起していた自身が更に硬く反る

「ひ、ぁ…う…っ」

相変わらず甘い、耳をくすぐる声をあげていて俺はどうにもそれと同時に加虐心をくすぐられているようだった
黙って擦っていた手を引いた。風丸は途端に詰まっていた息を吐き出すように大きく呼吸した。
暫くしてから涙で少し潤んだ瞳をこちらに向けるものだから手に付着した先走りの液体をぺろりと舐めるとかぁあっと赤くなって俯きつつももじもじとしながら俺を呼んだ

「豪炎寺…」
「何だ、風丸」
「……つ、づき、は」

羞恥に震えながら、風丸は真っ赤な顔で言う。それが虐めたくなるんだってわからないのか…。可愛いと思うと同時に若干不安も感じる、誰かにこんな顔を見られたらひとたまりも無い、子羊は狼に喰われてしまう

「自分でヌけよ」
「え…」
「一回ヌいたら、続きしてやる」

俺は静かに言い放ち風丸を見下ろした。誰にも喰われないように、俺が虐め抜いてやる。ほかの奴の前じゃ勃たなくなるくらいに
風丸は酷く困惑した様子でいたが既に中途半端に扱かれたそれは辛かったのか、おずおずと手を伸ばして緩く握り締め上下に動かした。また風丸の甘い声が室内を満たす。

「ぁ、あっ…ん」

正直他人の自慰行為なんて見るのは初めてだったし興味もなかった、けど、相手が風丸だと言うだけでこんなにも興奮するのかと驚いた。すぐにでも手を出してしまいたかったが今は我慢だ
暫く風丸の行為を見詰めているとふと風丸の視線がこちらに向いた

「…豪炎寺のも…苦しそうだ」

そう言って自分のを片手で擦りながら俺のズボンと下着を下ろしていきなり銜え込んだ。動揺を隠せない俺を無視して風丸は舌を使って俺のそれをぎこちなく舐めた。苦味に顔を顰める辺りがやっぱり可愛い
暫く俺は動けずにいたがもう辛抱堪らなかった。風丸に口を離させると押し倒して足を持ち上げて肩に掛けた。慣らしていない蕾に昂るそれを押し当てたら風丸が口を「あ」の形に開けたのがわかったが多分「待って」だろう。…待てるはずがないだろ。俺は構わず一気に突き上げた

「ひあっ…!」
「可愛い声だな…」
「んっ…ぐぅ…」

慌てて口を手で押さえる風丸にふっと軽く笑ってはゆっくり引き抜いて、突き上げ、律動を始めた。風丸の中にいることが心地良い。
次第に速まっていく動きに喘ぎ声と水音と荒い息遣いだけが部屋に充満していく

「あっ、ぁん、やっ…イっちゃ…は、ぅっ…」
「…イけよ」

最奥を思い切り突き上げる。びゅ、と音がして風丸の自身から白濁の液体が飛び出した。それと同時に俺も中に射精した





「…無茶し過ぎだぜ、豪炎寺のバカ野郎。明日試合だったらどうするんだ」
「悪い…風丸しか頭になくてサッカーの事がすっかり頭から消えてた」



(それだけ俺を思ってくれてんのは嬉しいけど…腰痛い…もう当分ごめんだ)
(次から腰に負担が掛からないヤり方探さないとな)



二人の思いは近いようで遠い



end
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