PH

□食べたくなる
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「っ…」

ギシッとベッドのスプリングが軋む音がした。それは無理矢理に連れ込んだ安宿のベッドだからだ、レインズワース家のベッドなら柔らかでこんな衝撃受け止めてくれるだろう。そう、押し倒したくらいの衝撃は。
目下の少年はただでさえ丸い目を更にまん丸にして私を見上げている。この子は実に聡い、今の状況もすぐに理解したようだ、表情が一瞬変わる。でもそれを認めたくないのか、にこりと笑った
みんな騙されるようですが私はキライなんですよ、キミのその笑顔の仮面。

「オレ、ブレイクを怒らせるようなことした?」
「怒ってるように見えますカ」
「んん、びみょう」
「嘘おっしゃい、おどけて流されたりしませんヨ」

こんなチャンスなかなか無いんですから。

ぐいっと顎を掴み顔を上げさせれば初めて抵抗が見えた。腕を掴み離させようとする、非力な子供。
私はフッと小さく笑みをこぼしては顔を一気に詰めて噛み付くような接吻を。息をする間もないくらい何度も何度も接吻を繰り返してから空気を求めて開いた口に舌を滑り込ませ、歯列をなぞるように這わせてから更に奥へ。
逃げていく彼の舌を絡め取り引っ張り出して執拗なまでに吸い付き絡ませていく。私の唾液が自然と下にいるオズ君の咥内に伝い落ち彼は小さく喉を鳴らして飲み込んだ。それだけで私は何だか恍惚としてしまう
暫く堪能してから口を離すとオズ君はぷはっと大きく息を吸ってから乱れた呼吸を繰り返した

「何で子供は息止めちゃうんですかねェ…こんなことで息を乱してたら、最後まで保ちませんヨ?」

私の言葉に彼はかぁっと顔に熱を集めた。お坊ちゃんと言うのは色んな知識がある代わりにどれも実践に疎いもの、彼の場合は護身術然り、…性行為もまた然り。
首筋に唇を寄せてちゅっと強めに吸い付く。だって生意気じゃありませんか、アリス君にはしっかりと印を付けられておいて、私の印は無いだなんて。だからしっかりと、赤い花弁のような痕を。

「そんな、見える、とこっ」
「見える所じゃなきゃ意味がないでしょう?」

君はもう私の物になるのだから。

体のラインを確かめるように撫でてみれば身を僅かに震わせる。
アァ、カワイイ




イタダキマス。



end


 
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