VitaminX

□実はかなりの…(清×悠)
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「清春君、気持ちは嬉しいけど、もう変なこと言わないでよね」

「嬉しいだァ?オマエ、かなりのMだろ」

「へ?」

「嫌がらせに決まってんだろっ!全部頼めばぁ〜いくらになるかしらぁ〜」

「えぇ!?」

「それにぃ〜、全部食べたらブクブク太って、スーツも入んなくなるだろォ〜」

クククッ、といたずらな笑顔を見せる清春君。


「そうよね…清春君がわたしのために何かしてくれるなんてありえないのにね」

その言葉に、清春君が反応した。

「おいっ、オレ様が貴重な休みの日に、何でここにいると思ってんだ」

「なんでって、嫌がらせするためでしょ?」

さっき自分でそう言ってたし…

「オレ様のオモチャが、他の誰かに遊ばれないように、見張ってんだろ」

「え……」

突然、真面目な顔で見つめてくるから、ドキッとしてしまった。

「その顔もらった〜」

パシャ

「いつのまに写真なんか撮ってるのよ」

「はい、その顔いただき〜」

「やめなさ〜い!」

「だったらオマエもやめろよ」

「へ?」

「オレ様に黙って、ひとりででかけるんじゃねェよ…」

ほら、また真顔でそんなこと言うからドキドキしてしまう。なのに…

「わかったかァ!オレ様のオモチャなら自覚を持て〜」

「む、むちゃくちゃなこと言わないの!」

息も絶え絶えに怒るが、清春君は真剣そのものだ。

「喜べ〜!来週から休みの日はオレ様が相手してやるぜ」

「はぁ?」

それってただ清春君が私といたいだけなんじゃ…?

と、言おうと思ったけど、怒られそうだから…

「ふふっ、ありがとう。休みの日も清春君に会えるなんて嬉しいわ」

代わりに、特上の笑顔で対抗することにした。

「なーんか面白くねぇな」

笑顔が利いたのか、清春君は、大人しく席に座った。

そして……

「すみませーん」

手を高々と上げ、店員さんを呼びつける。

「はい、どうされましたか?」

「やっぱ、この店のケーキ全部くれー」

「きーよーはーるーく〜ん!!」

怒られながらも笑顔になる清春君を見ていると、不思議とわたしまで笑顔になってしまう。

清春君のいうとおり、実はかなりのMなのかもしれない…。



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