月森蓮

□下心?
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「日野ちゃ〜ん、明日暇?」

金曜日の放課後になると急に元気を取り戻す天羽さんが、笑顔で教室に入ってきた。

「明日?ごめん、明日は…」
「もしかして月森君とデート?」
「あ、うん…」

なぜ知っているかは置いておいて、知っているなら聞かなきゃいいのに…と思ってしまう。

「ならちょうど良かった!ねぇ、プールに行こうよ」
「プール?」
「うん!実はさ、バイト先の人から入場無料券を貰ったんだ〜。で、4人分あるから、一緒に行かないかな〜って」

入場無料券をヒラヒラと見せつけてくる。

「わたしは良いけど月森君に聞いてみないと…」
「大丈夫だって!彼女の水着姿を見たくない男なんて、いるわけないもん」
「でもあの月森君が、プールなんかに行くっていうかな?」
「行くに決まってるじゃない。99%ほぼ間違いなくね」
「そんなものかな…」
「ま、聞くだけ聞いてみてよ。チケットは渡しておくから」
「あ、うん、ありがと」

天羽さんからチケットを2枚受け取ると同時に、素朴な疑問が頭に浮かんだ。

「あれ?でももう1枚はどうするの?」
「決まってるじゃない!あたしの可愛い冬海ちゃんよ〜」
「えぇ!?じゃあ男の子は月森君だけ?」
「そうだけど…なんかマズかった?」
「いや…」
「じゃ、10時に市民プール前に集合ね」

そう言って天羽さんは、笑顔のまま教室から去っていった。残されたわたしは、チケットを見つめたまま、次なる行動をとるしかなかった。

ただ不安なのは、あの月森君がOKしてくれるかどうか…



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