金澤紘人

□爆弾発言!?
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「日野ちゃ〜ん!!待って〜」

普通科棟から音楽科棟に通じている廊下で、天羽さんに呼び止められた。
なぜか音楽科棟から走ってきた彼女はかなり息を切らしている。

「どうしたの?そんなに慌てて」

「どうしたのじゃないよ…日野ちゃんさ、この前の日曜日って誰かと一緒だった?」

日曜日…
今の日曜日は、忘れようにも忘れられるわけがない。だって愛しいあの人と過ごせた貴重な日だったから…。

「日曜日がどうかしたの?」
まさか、一緒にいるところを見られたのだろうか?
内心ではドキドキしていたが、平静を装い聞き返す。

「それがさ、音楽科の子があんたを見たっていうのよ」
「え!?」

やっぱり見られてた?わざわざ隣の市まで出かけたというのに、ついにバレてしまう時がきたのかな…
と、思っていると天羽さんがすぐに付け足した。

「日野ちゃん、月森君と一緒だったんだって?」
「月森君?」

自分が思っていた名前とは違っていたので、拍子抜けしてしまった。

「そ。夜の駅前で楽しそうに話してたって言ってたよ?どうなの?」
「どうなのって言われても…」

月森君と夜の駅前にいたのは事実。だけど偶然居合わせた月森君とは話をしただけで、見られたのならほんの数分の話だろう。あの人と一緒にいるところを見られるより、すごい確率だな…と思った。

「月森君とデートしたの?」
噂好きの天羽さんは、次から次へと責めてくる。

「デートだなんてそんな!!偶然だよ、偶然。月森君にも聞いてみてよ」

「もう聞いたよ!月森君も日野ちゃんと同じで偶然だって言ってた。けど口裏合わせだってできるわけでしょ?ほら〜隠さなくてもいいじゃな〜い」

「だから違うんだって…」

こうなると止まらない天羽さんを知っているから、これ以上どう言えば信じてもらえるのかわからず、思わず溜め息が出る。
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