金澤紘人

□ジェラシー
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「あ、いたいた。日野ちゃん、この前頼まれてた写真、できたよ」

そう言って現れたのは報道部に所属する天羽菜美である。

「ありがとう」

「日野ちゃんはOKっと。よしっ、あとは3年生の先輩方と金やんか」

天羽さんの口からはよく金澤先生の名前が出て来る。

それはもちろん、彼女が今一番力を入れているコンクール取材のために協力してもらっているからだ。


「そうだ、聞いてよ〜。
昨日金やんに『コーヒー飲むか?』って聞かれたからさ、飲みたいって言ったら、
『だったら勝手に飲んでけ、俺は職員会議だからな』って言うんだよ?
普段そんなこと聞かないからおかしいと思ったんだけどね〜。
おかげで質問の答え聞けなかったし…」


「そうなんだ」

「金やんってホント冷たいよ。あれなら当分彼女できないわね」

「そうだね」


そんな金やんの彼女が私であると知らない天羽さんは

「でもさ、金やんって日野ちゃんには優しいよね」

「え…」

確かに…。冷たくなどされたことはない。
むしろ優しすぎるくらいだろう。
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