金色のコルダ
□2ショットなら…(地×日)
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「日野ちゃん!加地君に何かしたの?」
昼休み。ものすごい剣幕で教室に駆け込んできた天羽さんは、イスに座っていたわたしの肩をがっちりつかみ、問いただす。
「な、なに?急に…」
「聞きたいのはこっちだよー。ねぇ、何かあったんでしょ?」
「何かって言われても…」
同じクラスの加地君とは、先月から一応付き合っている。加地君が転校してきてから、過激なラブラブ攻撃を受けてきた私は、その攻撃を交わし損ねた…とでも言っておこうか。
「だっておかしいと思わない?あの加地君が、日野ちゃんの制服姿の写真10枚セットをいらないっていったんだよ?」
「え……」
「しかも、安くしておまけも付けるって言ったのに、笑顔で断られたし。気持ち悪いったらありゃしない」
取材だから、といってバシバシ写真を撮っていたのはそれなのね…と半ば呆れながらも、加地君の行動の原因を考えていた。
「加地君に、嫌われるようなこと言った覚えは?」
「それが……わかんなくて」
「どんなことでもいいからさ」
本当に覚えていない。
今日の午前の授業中も隣の席から痛いくらいの視線を感じていたし、昨日だって放課後練習を一緒にしたあと、家まで送ってくれた。
嫌われるようなことは何もないように思えるけど…
うーん、と悩んでいると、加地君の優しい声が聞こえてきた。
「あっ、天羽さん来てたんだ」
王子様スマイルで駆け寄ってくる加地君の両手は、購買部から買ってきたパンやジュースでいっぱいだ。
「はい、香穂さん」
「え?」
加地君から渡されたのはサンドイッチだった。
「香穂さん、サンドイッチ好きだよね?」
へへっ、と照れくさそうに微笑みながら言うもんだから…
「ちょっと加地君!日野ちゃんとケンカしてたんじゃないの?」
どうやら天羽さんのなかでは、私と加地君はケンカをしているということで落ち着いたらしい。
「ケンカ?なんで?」
加地君は不思議そうな顔で天羽さんに答える。
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