金色のコルダ

□感謝の形(土×日)
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昼休み。
教室でご飯を食べているところに天羽さんがやってきたのはいいんだけど…

「えっ!?」
「日野ちゃん、そんなに驚かなくてもいいんじゃない?」

あまりの驚きように、提案者の天羽さんも驚いている。

「だからさ、何の楽器が良いと思う?」
「うーん…」

というのも、普通科の友人である天羽さんが、「私もなにか楽器を始めたい」と言い出したのだ。

「せっかくだからさ、コンクールメンバーから指導してもらおうかなって思ってるんだぁ」
「じゃあコンクールメンバーの楽器にするってこと?」
「そういうことになるわね」

コンクールメンバーは全部で7人。うちヴァイオリンが2人だから、楽器の種類は6種類か。

「でもさ、弦楽器って難しそうでしょ」
「うん、難しいよ」
「それに、月森君が優しく教えてくれるわけないし」
「確かに…」
「志水君は親切かも知れないけど、話聞くだけで日が暮れちゃいそうだし」
「わかる気がする…」
「だから却下ね」
「じゃあ管楽器?」
「そうなるか」

話は順調に進んでいくが、天羽さんがなんで楽器を始める気になったのか、私は疑問に思っていた。

「フルートは、あのキラキラした感じがなんか肌に合わない気がするんだよ」
「そうかな?柚木先輩が言ってたけど、フルートって簡単だって言ってたから良いんじゃない?」
「その柚木先輩が問題なのよ」
「はぁ…」
「絶対裏がありそうだし、何よりあのオーラが苦手!」
「ようは柚木先輩が苦手なわけね…」
「その点、火原先輩だったら楽しそうだし、親切に教えてくれそうじゃない?」
「そうだね」
「トランペットか…良いかもね〜」

明るくて元気いっぱいの天羽さんには向いているかも…と想像してみる。


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